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作品名:実際にあった事件〜児童虐待〜 作者:羅夢姫&神楽嬢

第21回   21
そして2ヶ月ほど経って…
子供達の休みが揃い、久しぶりに3人でマイカル明石SATYで買い物を
していると偶然、富士通明石工場で働いていた時の同僚に会った。
娘と息子は話が長くなると思った様で、ウザそうな顔をして挨拶もせず
二人でどこかに行ってしまった。
同僚と色々話していると突然思い出したかの様に同僚は私に…

「そうそう、和気さん保護貰ってんの知ってる?」
と言った。私は…

「え?嘘?前に密告されてるのにそれでもまた貰えるん?」
と言った。同僚は…

「いや、出来るも何も本人が言ってるやん。和気さん私にも
“簡単に貰えるから行っておいで。”って言うてきたよ。」
と言った。私は…

「離婚して今まで何も援助も頼らんと頑張って3人も見て来てるんやし、
出来るんやったらしばらくでも面倒見てもらい?」
と言った。同僚は…

「実は…和気さんに勧められて行った訳じゃないけど
役所に行って手続きしに行ってんよ。確かにそんなに難しくなかったわ。
この前な私、手術して細胞とってん。今、悪性か何か調べてもらってんねん。」
と言った。同僚は手首にタグの様な物をつけていた。私は…

「大丈夫なん?いつ検査結果出るん?そんな状態やのに出ていいの?」
と言った。同僚は…

「病院にずっとおったら余計病気になるわ。外出許可貰って子供と来てん。」
と言った。私は…

「何かあったらいつでも言ってくれたら出来る事は力になるから。」
と言った。同僚は…

「ありがとう。気持ちだけでも助かるわ。ホンマありがとう。
でも、旦那いるのに何で貰えんのやろな?旦那の給料と保護と貰っとったら
余裕やろうに。何でヒロ君にあんなみすぼらしい格好させてんのやろ。」
と言った。私は…

「さぁ…またお金ない様に見せかけてるんちゃうの?
また誰かが恵んでくれるのを待ってるんやろ。」
と言った。同僚は…

「あんまりみすぼらしいから私の子の服あげたんよ。
あの子小6やろ?うちの子、小4やけど十分合ったで。
まだ余裕が合ったわ。抱っこしてもホンマ軽いな。何あれ?」
と言った。私は…

「まだロクに何も貰ってないんやな。あれだけ騒ぎになって少しは
マシな扱いされてるかと思ったけど、何も変わってへんねんな。」
と言った。同僚は…

「和気さん家に服持って行ったるのにお菓子持って行った時も
“ママこれおいしいね”って言ってがっついて食べるから出されても
あんなん見たら手もつけれるかいな。」
と言った。私は同僚の言い方に少し笑ってしまった。
同僚は…

「ホンマ笑い事ちゃうで。ホンマ凄かってんから。」
と言った。私は…

「想像つくわ。ご飯もまともに貰ってないんちゃう?
別に驚く事でもないやん。お腹がすいてたんやろ。」
と言った。同僚は…

「え?ご飯貰ってないの?何でよ。旦那さんの稼ぎと保護のお金が
あったら十分な生活できるんちゃうの?。」
と言った。私は…

「たぶん酒代とかパチンコ代に使ってんねやろ。」
と言った。同僚は…

「え〜?ほんで和気さん何で給食費とか払えへんのよ?
私、必死で働いて払ってんのに。他の親御さんもやろうけど。」
と言った。私は…

「ええんちゃう。“ない”って聞いて鵜呑みにする学校もあるみたいやし。」
と言った。同僚は…

「電動自転車もサラ買ってんねんで。」
と言った。私は…

「え?電動自転車って高いんちゃう?」
と言った。同僚は…

「いや、“靴のヒラキで安かったで。めっちゃ安かったで。
6万位であったからあんたも買っておいで。”ってやたら
勧められたんよ…。そやけど高くてそんな物買えんやん。」
と言った。同僚は少し怒っている様子だった。


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