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作品名:実際にあった事件〜児童虐待〜 作者:羅夢姫&神楽嬢

第16回   16
そして、娘の会社の人はすぐに父親と連絡をつけてくれました。
その人の父親も快く引き受けてくれ、明石署に行ってくれました。
そして、生活安全課の中島さんという女性の警官が対応してくれる事になり、
現在に至るまでの事情を全て話したそうです。
私は長男が…      
       
「おばちゃん、そばにおって。」  
としつこく言ったので病院に残り、長男とトランプをしていました。
しばらくして校長が帰って来て顔を見るなり何度も…
       
「ありがとう。本当にありがとう。自分の子供でもないのに
うちの生徒を守ってくれて本当にありがとう。」
と何度もお礼を言ってきました。
そして私に…

「明日、児童相談所の人が来るから。何回も申し訳ないんやけど
また一から説明してもらえる?」
と言ったので、私は…

「いいですよ。」
と答え、皆で話し合った内容とその時の状況を説明しました。
そして私は長男に…

「明日また来るから。おばちゃん家の事もせんとあかんし、
羅夢ちゃん(フェレット)もお腹すかして待ってるから。明日朝から来るから。」
と言った。長男は“帰らんとって。”と何度も言ったが納得してもらい、
和気さんと旦那さんが帰った事を確認し、看護婦さんに一言声かけて帰りました。
家に帰宅する頃には、すでに夜の11時を超えていました。
 
そして翌朝早くに病院に行くと長男が…  

「おばちゃん、ママ来んの?ママ来させんとって。おばちゃんから頼んで。」
と言ってきました。しばらくして旦那さんが来たので私は…

「ヒロ君が和気さんが来るのを拒んでるので、
せめてもう少し元気になるまで来させんようにしてもらえませんか?」
と頼むと旦那さんは…    
       
「いや…母親やしね…」    
と言いました。私が…    
       
「せめて体調が良くなるまででも。実の息子がお願いしているのに
1つ位聞いてあげたらどうですか?赤の他人の私が仕事を棒に振ってまで
ヒロの為にやってるんだから少し位は父親として何か1つ位お願いを
聞いてあげてくださいよ。」
と言うと旦那さんは長男に…    
       
「ママやぞ?嫌なんか?」    
と聞いてました。するとしばらく黙っていた長男は…
       
「ママすぐ怒るし、怖い。」      
と言いました。旦那さんはしばらく黙っていました。
私は旦那さんに…
       
「ずっとではないんやし、落ち着いたらヒロも少しは違ってくると思うし、
少しの間ヒロの為に協力してあげたらどうですか?」
と尋ねました。旦那さんは少し悩んでいる様子でした。
しばらくして和気さんが来て…    
       
「ヒロ大丈夫か?」    
言いました。私が…      
       
「下着とか持って来てくれたん?」    
と聞くと…        
       
「え?下着とかいるん?病院が用意してくれるんちゃうん?
あっ、そうや入院したらお金いるんよな?お金ないわ。どうしよ。
役所行かなあかんわ。」
と言いました。旦那さんは話されると困るのか…
       
「オイ。」    
と話を止めました。和気さんは…    
     
「ヒロ何飲みたい?コーラか?ジュースか?」  
と長男に聞いたので私は…    
       
「あんた何聞いとったん?昨日、水も何もまだ口にしたらあかんって
看護婦さんが言っとったやん。」
と言うと和気さんは…   
       
「あっ、そっか。へへへ。」    
と笑いました。その様子を見て旦那さんは溜息をつき首をかしげていました。
しばらくして校長先生と教頭先生が来ました。
そして校長先生は、両親に少し話を聞きたいと言い、別室に行きました。
そして30分程経ち、校長先生が戻って来て悩んでいる様子だったので…
       
「どうです?」      
と聞くと校長先生は…    
       
「お宅の言う通りやね…薄いな。愛情も無いし、感情も無いし…
何て言うたらいいんやろか。薄すぎるわ…。」
と言ったので私は…      
       
「ね?何か掴み所のない感じでしょ?罪の擦り合いやしね。」
と言いました。校長先生は頭を抱えていました。
すると私達の横を和気さんが通って行きました。
校長先生が私を見たので私は…
       
「タバコ吸いに行ったんやと思いますよ。」  
と言うと校長先生は言葉に困った様子だった。
普通は一言「席を外します」とか声をかけて行くべきなのに
見向きもせず知らん顔で通り過ぎて行きました。
しばらくして校長先生は…
       
「何も食べてないんでしょ?私が見てますから、ご飯食べてきて下さい。」
と言って来ました。私は2日目にやっとまともにご飯を食べました。
そして病室に戻ると児童相談所の人が二人来ていました。
すぐに別室で話し合いが始まりました。
私は今、現在に至るまでの事を話しました。
すると児童相談所の人は…
       
「命の危険はありますか?急を要するんですか?
何故、弘伸君は逃げなかったんですか?」
と聞いてきました。挙句の果てに…  
       
「私は昼から加古川に行かないといけないので。」
と言い、もう1人の女性の人に…    
       
「自分、後聞いとける?聞いとって。時間ないから。」
と言いました。私はその対応の悪さに腹が立ち…
       
「何もなかったらあんたら呼ばへんわ。頭おかしいんと違う?」
と言うと児相の人は…      
       
「マニュアルが無いので時間がかかります。」  
と答えました。
私は“こんな対応やから間に合わずに死ぬ子が出てくるんやな”と思いました。
       
「マニュアルって何?今までも色んな事例があるんやし対策とかないの?」
と聞くと児相の人は少し半笑いで…    
       
「親子さんに少し話聞きたいから。」    
と言って両親と10分程別室で話し、20分程で帰ってしまいました。
そして校長先生が教頭先生に…
       
「児相の人は?」    
と聞いたので、帰った事を告げると…  
       
「帰った?何で?」  
と驚いていました。
私は児童相談所の対応と会話を話すと校長先生は…        

「物の30分やそこらで分かる様な問題でもないやろ。
教育委員会といい児童相談所といい頼りにならんな。」
と落胆した様子でした。私達も児童相談所の不甲斐なさに落胆しました。
しばらくずっと虚悪な状態でした。
しばらくして知人達がお見舞いに来てくれて雑談をして楽しく過ごしました。
その後はまた両親が帰った事を確認して看護婦さんに一言声をかけて家に帰りました。


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