最近の本屋は、無料でブックカバーをつけてくれる。 それも、紙かビニールかで洗濯……選択できる。サービスが良いチェーン店である。 紙でもビニールでもいいが、指紋がベタベタつくのが嫌なので、必ずブックカバーをもらっている。 いつも行く店は、常連の僕の姿を見ただけで、何も言わなくても袋の中に一緒にブックカバーを入れてくれる。 それがあるからいつも同じところで買っているのだが、今日は別のお店に入った。探していた本がそこにはなかったからだ。 探していた本は保存状態も良く、簡易的なビニールに包まれており、指紋がつくスペースはなかった。 ほくほくしながらレジに行き、会計時にブックカバーをお願いした。 お願いされたと同時に、店員さんはおもむろにビニールに引き裂き、指紋をベタベタつけながらブックカバーをつけてくれた。 そして「ありがとうございました!」と、店員さんは快活な笑顔で見送り、僕は引きつった笑顔でそれに答えた。 その後どうやって帰ったかよく覚えていない。
----- あとがき
実は今回、あとがきがいらない文字数を稼いでいましたが、今回はあとがきたかったので私は書きます。 今回の話は、指紋なんて別に気にしねーよって人には理解できない話だと思います。 私もそこまで気にしてないのですが、この間ブックカバーをお願いした店員さんはとても愛想が悪く、めんどくさそうにカバーをつけていました。 それが印象に残ったので話にしてみました。 店員さんネタ提供サンクス。
ではまた次回をおたのしみに……してくれてたらいいなぁ。
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