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作品名:10行で終わる物語 作者:yuu?

第3回   ブックカバー
 最近の本屋は、無料でブックカバーをつけてくれる。
 それも、紙かビニールかで洗濯……選択できる。サービスが良いチェーン店である。
 紙でもビニールでもいいが、指紋がベタベタつくのが嫌なので、必ずブックカバーをもらっている。
 いつも行く店は、常連の僕の姿を見ただけで、何も言わなくても袋の中に一緒にブックカバーを入れてくれる。
 それがあるからいつも同じところで買っているのだが、今日は別のお店に入った。探していた本がそこにはなかったからだ。
 探していた本は保存状態も良く、簡易的なビニールに包まれており、指紋がつくスペースはなかった。
 ほくほくしながらレジに行き、会計時にブックカバーをお願いした。
 お願いされたと同時に、店員さんはおもむろにビニールに引き裂き、指紋をベタベタつけながらブックカバーをつけてくれた。
 そして「ありがとうございました!」と、店員さんは快活な笑顔で見送り、僕は引きつった笑顔でそれに答えた。
 その後どうやって帰ったかよく覚えていない。



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あとがき

 実は今回、あとがきがいらない文字数を稼いでいましたが、今回はあとがきたかったので私は書きます。
 今回の話は、指紋なんて別に気にしねーよって人には理解できない話だと思います。
 私もそこまで気にしてないのですが、この間ブックカバーをお願いした店員さんはとても愛想が悪く、めんどくさそうにカバーをつけていました。
 それが印象に残ったので話にしてみました。
 店員さんネタ提供サンクス。

ではまた次回をおたのしみに……してくれてたらいいなぁ。


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