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作品名:10行で終わる物語 作者:yuu?

第14回   風邪
-----take1-----

 熱が出た。
 のどが痛くて体がだるい。食べ物の味がおかしくなり、食欲もなくなってしまった。
 これはまいった。学校を休めるのはうれしいが、一日中布団のなかで苦しむことになった。
 最悪な日だと思ったが、せめていい方向に考えようと思った。
 クラスに好きな人がいた。その人も数日前に風邪を引いていた。となると、その人から病気をもらったことになる。
 そう考えれば、この風邪も悪くないと……やっぱり思えなかったので、大人しく寝ることにした。
 後日、熱も引いたのでやっと登校できるようになった。
 好きな人の方を見るとやはり調子が悪そうだった。けど、それ以上に学年一根性が曲がった奴の調子が悪いことに、僕は気づいた。
「絶対あいつが菌を撒き散らしてるよな」友達がそう説明してくれた。
 次の日、なんと学級閉鎖になった。風邪の菌まで根性が曲がっているなと、僕は思った。


-----take2-----

 産まれてこの方、病気というものにかかったことがない。
 勉強してて頭痛が痛くなることはあったが、基本的に健康ということなんだと思う。
 そんな私だが、今猛烈にお腹が痛くなっている。これは産まれて初めての『風邪』というやつかもしれず、心が躍った。
 風邪で休んでいる人を見ていると、回りがみんなが優しく看病していた。
 仲の良い友人なんかは、お見舞い品など持ってきてくれるらしいのだ。
 それらがちょっと羨ましかったが、風邪など引いたことのない自分にとっては無縁の話だった。
 しかし、私はついに風邪を引いたのだ。
 私は意気揚々と病院に向かった。そのまま盲腸で入院することとなった。
 病院にまでお見舞いに来てくれる友人もいない私は、閑散とした病室で一週間くらい過ごした。
「病気になって良いことはない」夜、電気の消えた暗い天井を見上げながら、私はポツリとつぶやいた。


-----take3-----

 友人が風邪になった。そいつは一人暮らしで、看病してくれる人もいないことを僕は知っている。
 三日も過ぎた今でも未だに治ってないらしく、流石に心配になってきたので見舞いに行くことにした。
 友人の家に行くと、どうやらおたふく風邪になっていたようだった。
 すごく苦しそうにしている友人だが、それでも今日は外出するのだと、ベットから這い出てきた。
「どうしたんだよ!」「離してくれ! 俺は行かなければならないんだ!」「そんな体調で外出なんて無理だろ」
 こんなに無理をしてまで行かなければならないところって一体どこなんだ。僕はそれを聞いてみた。
「今日は……今日は……」「あぁ、苦しいだろうが言ってみろ」
「今日は……マジカル少女サモンちゃんの限定フィギュアの発売日なんだ!」
 彼はフィギュアに囲まれた自室の中心で、愛を叫んだ。
「男には……どんなに辛くてもやらなければならない時があるんだ」大人しく寝ろおっさん。


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あとがき

 どうもこんにちわ〜。
 全国100億人の10行小説ファンのみなさま、更新遅れてすみません。
 風邪引いてました。薬飲んで頭がぼんやりした状態では、全くアイデアが出なくて散々でした。
 悔しいので、風邪を題材に3つ書いてみました。
 絶対誤字してそうですが、見直した感じ大丈夫だと思うので載せちゃいます。
 風邪なんかひくもんじゃないですね。
 全国1000億人の10行小説ファンのみなさんも、どうぞお気をつけください。
 ではまた次回お会いしましょう。


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