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作品名:桜迷路 作者:指輪とかげ

第1回   1
桜迷路



柔らかな日差しが淡い薄桃色の花びらを照らし、
吸い込まれる程、透明なスカイブルーの空に花びらが舞う。

まるで、桜の迷路みたいだね。

と貴方は言う。


そんな詩人みたな事をぽつりと呟く君の声が
随分と耳の奥で、頭の奥底で残ってる。


春になったら一緒に暖かな日差しに寝転がって
夜桜の下、手をつないで歩こう。

夏になったら一緒に熱い日差しから逃げるように木陰で一休み。
真っ青に深く広がるリアルスカイを見に行こう。

秋になったら一緒に極彩色に染まる広葉樹を見に行こう。
秋の夜長には夜通し語り合おう。

冬になったら一緒にコタツでいつまでもくっついて居たいね。
寒くても、冷たくても…側に居れたら暖かいよ。


貴方は美しい人でした。


季節の移り変わりに耳を澄まし、いつも遠くを見ていて…
僕の側に、ここに居るのに何処か遠くに居る様な…
消えてしまいそうな儚さを持つ人でした。





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出会ったのは偶然であって、必然であったとも……今では思う。





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