桜迷路
柔らかな日差しが淡い薄桃色の花びらを照らし、 吸い込まれる程、透明なスカイブルーの空に花びらが舞う。
まるで、桜の迷路みたいだね。
と貴方は言う。
そんな詩人みたな事をぽつりと呟く君の声が 随分と耳の奥で、頭の奥底で残ってる。
春になったら一緒に暖かな日差しに寝転がって 夜桜の下、手をつないで歩こう。
夏になったら一緒に熱い日差しから逃げるように木陰で一休み。 真っ青に深く広がるリアルスカイを見に行こう。
秋になったら一緒に極彩色に染まる広葉樹を見に行こう。 秋の夜長には夜通し語り合おう。
冬になったら一緒にコタツでいつまでもくっついて居たいね。 寒くても、冷たくても…側に居れたら暖かいよ。
貴方は美しい人でした。
季節の移り変わりに耳を澄まし、いつも遠くを見ていて… 僕の側に、ここに居るのに何処か遠くに居る様な… 消えてしまいそうな儚さを持つ人でした。
----------------------------------------------------------------
出会ったのは偶然であって、必然であったとも……今では思う。
----------------------------------------------------------------
|
|