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作品名:ピピイ・ド・ハンサムの優雅なる冒険 作者:ウィリアム輝夫

第1回   ピピイの旅立ち

 序

 時は、十字軍の時代のころのヨーロッパ。
 フランスの地に暗黒の魔王、ミヤジマルが降り立って、魔物をたくさん発生させていた。
 フランスの国王は困惑する。
 そんなときに、十字軍で旅をしていた、ピピイ・ド・ハンサムが帰ってきたのだった。
 王様は叫ぶ。
「この国を救ってくれ」
 ピピイ・ド・ハンサムは、胸からバラを取り出した。そして王様に渡す。
「私がこの美を象徴するバラにかけて、魔王を討伐します!」
 こうして旅は始まったのだった。


 第一回 「虐待されている女性を助けたピピイ」


 ピピイが城の近くの宿屋で寝ていると、声が聞こえてくる。
「ご主人様!
 やめてください」
「ゲヘゲヘゲヘ! 
 ゆるさんぞ」
「あ〜れ〜」
 ピピイは、怒りの形相でドタドタと階段を下りる。
「誰だ!
 か弱い女性をいじめる男は!」
 すると、太った髭面の男が、麗しき女性をムチで叩いていた。
「お前か!」
「ははははは!
 ビシビシビシ!」
 女は叫んだ。
「あ〜れ〜」
「おい!
 貴様。
 やめろ、やめるんだ」
 すると髭面の男は叫んだ。
「違う!
 この女は魔女なんだ!
 俺は世界を救うために、今、この女の根性を直そうとしているんだ!」
「魔女なわけがあるものか!
 ものすごくかわいいじゃないか!
 美しいものに、悪いものはない。
 という格言を知らないのか」
「失礼ですが、騎士様!
 そんな格言は知りません」
「知るわけはあるまい」
 とピピイは剣をかまえる。
「その格言は、今、私が作ったのだ!」
「もう、わかったよ!
 じゃあ、俺、知らないからな!
 今、この女は、聖なる鎖で、魔力を奪われているが、この鎖を解いたらとんでもないことになるぞ!」
「うるさい!
 消えろ!」
 男は尻を蹴られて、ギャヒン、と叫ぶと逃げて行った。

 ピピイは、鎖を解いてあげる。
 惚れ惚れとするほどの美女である。
「ありがとう!
 あたし、お礼がしたいなあ」
「えっ、何。
 まさかキス」
「うん。
 目を閉じて」
「わかった」
 目を閉じると、ブツブツとなにやら詠唱する声が聞こえる。
「エレクトリックサンダーボルト!」
 と叫ぶと、ピピイは電撃にやられて、壁に吹っ飛んだ。
 壁は穴を開けて、ピピイは宿の近くの大木にしたたかに体をぶつける。
「ぎゃああああああ!」
「ふはははは。
 あの男の警告をきくべきだったな。
 アホな騎士よ!
 私は、魔王ミヤジマルの配下の一人、スキャンティー花世だ!」
「うおっ。
 貴様が、あの有名な、『暗黒のスキャンティー』!
 もしくは『エレクトリック女教師、花世』だって!」
「そうよ。
 ふふふふふ」
「これは絶対絶命じゃないか」
「第一話で、あんたの命は終わるのよ!
 それじゃあね。
 エレクトリック…」
 どうなる?ピピイ・ド・ハンサム。
 次回をお楽しみに!


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