この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝118」
オンブイカ
熱帯地方の近海に広く分布する 体長30cm以上になる甲イカの一種 生息の条件としては水温が高い方が好みのようで 赤道に近いほど生息数が多い
この種の特徴は繁殖時にあり 受精卵をその背甲の内側で稚イカに孵化させ その後一週間くらい育ててから海に放すのである この繁殖時の習性が名前の由来である
この名前のつけられるまでには 大変な論争が起きたので少し紹介するのである 初めてこのイカが発見され 背甲で子供を育てる習性が注目を浴びたことで 命名に関して多数の候補が挙がったのであるが その中でも オンブイカとコモリイカの二種類が 最終的な候補として残った 発見した学者が命名すればいいのではと疑問に思ったが 厄介なことに複数の生物学者や研究者で組まれた 海洋生物研究チームであったため このようにもめることになったのだそうである そして最終的に命名するのは より多くのチームメイトを説得できるかで 決めることになったのだが その時のオンブイカ側の プレゼンテーションの演説文が大変素晴らしく 快文オンブイカと呼ばれ 今でも生物学者の間で伝説の演説文として有名である
さてこのオンブイカ もちろん食料としても有用である 生息数が多く繁殖力も強いため 一度漁に出るとほぼ確実に大漁であり 漁師にとっても消費者にとっても経済的な魚介類である もちろん味の方も申し分ない 刺身でもいけるのだが 火を通した時のさっくりとした歯切れのいい食感と甘味の強さ コレに尽きるのである ゆえに調理法としては天ぷらやフライが向いている 非常に肉厚でボリュームたっぷりのその身は 一口二口と食べるほどに食欲がますほどである アッサリと食べるなら先に言ったように天ぷら、フライで 塩やシンプルなソースで食べるのがよいが こってりと濃い味付けにするならば 中華風甘酢アンやトマト煮込みで食すと美味である
私は上で述べた料理法全てで食したことがあるが そのいずれも美味 ベルト穴の位置が変わるほどに食べてしまうことになるので その点だけが欠点かもしれないのである ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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