この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝100」
ゴウライチョウ
キジ目ライチョウ科の鳥ライチョウの大型亜種 体調は確認された最大の物で体長100cmを超える 標準的なライチョウと同じように高山地帯に生息 体の大きさ以外の生態はほぼ同じである この体の大きさから大変目立ち その他のライチョウが天敵である猛禽類から身を隠す ハイマツや岩の陰に隠れにくいため 大型の物ほど希少である
体の大きさに似合わずに性質は大変おとなしく 繁殖期のオス同士の争いでもめったに怪我をする事は無い だがしかし この性質の大人しさゆえ 隠れにくさとも相まって天敵の餌になりやすい また この大型種は過去密猟の対象となり やはり体の大きさから簡単に見つかってしまい 現在世界的に個体数が減少し レッドリストの絶滅危惧CRに位置づけられている 非常に種の存続の危ぶまれる動物である ときすでに遅く 今では野生種が絶滅してしまった地域もあり 早急に対策を取らなければならないであろう
現在種の保存対策として人工繁殖が行われ始めた 話によると今のところ大変順調 人工繁殖の為に捕獲した固体を二組のつがいにした所 相性が抜群であったようで 瞬く間に二度の産卵に成功 一度目に生まれた卵はもうすでに雛になり こちらも元気に生きているそうである
今後の課題はやはり 人工繁殖した雛たちの自然への回帰順応であろうが またそれは今後の話 今はとりあえず種を維持する目途が立っただけでも 良しとしてもいいのではないだろうか
上で述べたことの補足であるが 密猟が絶えなかった事の理由として 貴重な野生動物をコレクションしたいと言うだけではなく この鳥の肉の味の良さも原因の一つであったそうである 山肌を駆け回って餌を食べ生活しているこの鳥は それはそれは肉が締まっていて食感が良く 味も野性味あふれる力強い味わいで 古代から身分の高い人々に喜ばれていたらしく その味の良さが広く知れ渡る事となり 猟が盛んに行われたそうである この為徐々に取れなくなり 現在は保護の対象となったのであるが どれほど厳しく罰則を規定しても 密猟は絶えなかったのである 現在は密猟に出かけていってもほとんど固体が見つからず 無駄骨に終わることがあまりにも多いため 経費ばかりがかさむためか 密猟の痕跡が発見されることは無いようである 今の状態では種としては危険だが 増えても狩られ易くなるのであれば この鳥もどうしていいかわからないのではないだろうか
早く人工繁殖で数を増やし 猟に出かけなくてもこの鳥が手に入るようになるのが そこそこの良策なのではないかと思うのである ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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