この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝90」
ナユタナツメ
古くから生薬として栽培されているナツメの 小果大量結実型改良品種 小さな果実が無数になるために この名が付けられることとなったのである
葉1枚に対して 1cm前後の小粒の実を1つずつ実らせるため 実が熟するころには実に壮観である 収穫量が大変安定しており 異常気象の年であっても収穫の減少率は低く 幹や枝が根元から折れることの無い限り収穫できる つまり一番の大敵は暴風である 栽培上の最重要注意点である この暴風による木部の損傷さえ防げば 暑さ寒さ乾燥湿潤等には大変強い耐性を持っているため 比較的容易に栽培することが出来るのである
もう一つの栽培上の注意点は 樹勢が強く成長が早い事である 何の手入れもしなくてもどんどんと伸びるため うっかりと人家のそばに植えると2〜3年で影を作り 隣家とのトラブルの原因となりかねないため 気をつけなければならないだろう しかし この事さえ気をつけていれば たまに水をやるだけで盛大に実を実らせてくれるため 栽培していて楽しい品種である 低く育てるコツは剪定作業をする事以外に方法は無いが 年に一度だけで良いので この手間さえも面倒くさいようなら もともと植物栽培には向いてないのではないであろうか 樹形の仕立て方としては 植える場所の都合に合わせてしまえばよい 主幹から2本ないし3本の主枝を 日光が満遍なく当たる様にするのが一般的である 樹形を楽しむのであれば 好きなように整えても平気で実を付けてくれるので 各々の好みで楽しめるだろう 生薬の原料としては 乾燥させて果実種にするのが主流のようである
この様に大変優秀なこの品種だが いかんせん一粒が小さいため 収穫に関しては少々手間がかかる 大実種と比べてトータルの収穫量は多いが 収穫の手間の問題を技術的に改善することが 経済作物としては今後の大きな課題である 今現在とられている一番効率的な収穫法は 枝で切り取って持ち帰り 専用の摘果装置で実とその他とを選別する方法である しかしこの方法を取ると 剪定のタイミングがずれてしまい その後の栽培に与える影響が大きい まだまだ収穫に関しては研究の余地があるようである ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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