この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝85」
クサニオイカ
体長20cm前後の小型のイカの一種 その名の通り不快な臭いを発する このイカの特徴の臭いの正体はアンモニア 体内のアンモニアの排出能力が大変低く 水揚げされた時にその臭いがするのである
このイカの生態としてその集団性の高さが上げられる 標準で万単位 時として数十万単位で群れをつくり行動する そのため 漁師の網にかかり出すと兎に角沢山獲れてしまうのである こうなるとその日の漁は切り上げにするしかなく 漁師にとっては実に厄介な獲物であった
しかしこのやたらと量だけは取れてしまうクサニオイカ 何とか資源として活用することは出来ないかと 水産関係者と研究機関及び大学の研究室等の連携で 数々の試行錯誤の結果 とうとう日の目を見る事となったのである
どの様にしても アンモニア臭のせいで食用には向かなかったが 好アンモニア細菌{アンモスキ・ムシャス}の発見により これを利用することで180度事態は変わったのである クサニオイカをまず普通の干物にする段階で 菌の培養液を塗布する たったこれだけでただひたすらに邪魔な獲物であった このイカが 不快な臭いの元であったアンモニアが全て旨みに変わり 劇的にうまい酒の肴に変身したのである
味わいは するめの味に旨みとほんの少しの酸味が加わった感じで 例えてみれば カツオ梅の梅の酸味が少し弱まった味が足された この様な味わいである 火で炙って食べるも良し 細く裂いて天ぷらにしても旨い 人類はまた一つ素晴らしい食材を手に入れたのである ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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