この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝84」
ススニカイカ
体長2m前後の大型のイカである イカ墨の保有量が他のイカに比べて非常に多い種である 名前の由来は 墨の原料のススと膠から付けられたようであるが ほかにも諸説あるが後ほど述べることとするのである
食材や絵の具として人間に利用されるイカ墨 このイカ一匹で1.5リットル弱のイカ墨が取れるため 古代から珍重されてきた 特に中世ではペストに薬効があるとされ 盛んに利用されていたようである 近年もイカ墨料理の本場イタリア以外での 認知の高まりにより需要は高い しかしこの需要の高さに対して 天然のススニカイカの生息数は減少の一途である
この様な天然資源の減少に対し 人間が取れる手段として効果的であったのは 計画繁殖及び養殖技術の確立だったのである このイカの漁獲高の減少が目立ち始めた当初より 技術の確立が推し進められた だがしかし 最初の22年は繁殖・養殖は出来る物の 完全養殖した物は この種特有のイカ墨の保有量の多さがまるで無く その他の同サイズのイカと同じ位か少ない程であった しかし放流し自然で生育した物は 多量のイカ墨を持つに至っていた 時間を掛けた調査の末このイカ墨保有量差の原因は 捕食生物の存在の有無であった 本来イカ墨は外敵に襲われた時の為のものである そのため捕食生物のいない完全養殖群は イカ墨を持つ必要が無かったため 体内で生産される事が無かったのであった
この事を踏まえたうえで計画を練り直し 現在はこのイカより一回り小さいサイズの肉食魚を 養殖環境に同居させることによって イカ墨の生産を向上させることに成功したのである この問題点をクリアした後は 実に順調に養殖技術が発展し 現在リーズナブルに イカ墨料理が食べられる様になったのである
ちなみに 名前の由来の諸説の内の一つであるが イカ墨を食べると一時的に歯が黒くなるのは 見た目どおりである そのときの様子から名づけられたと言うのである {すすけた歯で、にかっと笑う、いかしたやつ} だそうである トホホ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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