この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝83」
キャノンワーム
アベコベカミキリムシの幼虫の俗称 その名の通りアベコベである 成虫は体長4cm程度であるのに対し この幼虫は 体長12cm直径3.5cmにもなる巨大ないもむしである
おもに樫の木を好んで食害し縦横無尽にトンネルを掘る 幹の直径1mにもなる巨木が このキャノンワームの大量食害により 立ち枯れを起こすことが昨今問題とされている しかし我々人間という物は貪欲な物で この問題を解決する方法として このキャノンワームを食用とすることで この樫の木の立ち枯れ問題を解決してしまったのである これにより現在はキャノンワームの入手の方が困難 廃材やおがくずの利用によって 養殖が研究されているほどである
養殖が研究されるほどに この虫は美味である 硬めに練り上げたカスタードクリームかもしくは カマンベールチーズのような食感に サツマイモと栗の合間を突き進むかの味わいは 一部の通の間では非常に高く評価されているのであるが 虫食になれていない人達は その概観から敬遠されている この点真に残念である
調理法は茹でるのが普通である 焼いたり油で揚げるのは爆発の恐れがあり大変危険 なおかつ中身が漏れ出してもったいないので よほどの希望が無い限り茹でるほうがよいであろう まず冷水の状態からキャノンワームを入れ 中火でじっくりと温度を上げていく 沸騰させずにおおよそ10分位かけてまず中身を固める 黄色身が強くなってきたところで お湯を沸騰させさらに10分以上過熱する 茹で上がったら冷めないようにお湯のまま食卓に並べる 食べ方は 大変皮が硬く歯で噛み切って食べるのは困難なため 子牛肉で作られる白ソーセージの様に ナイフで皮を切り開いて中身を食す ソースなどの味付けは不要である
調理するときのコツは とにかく急激に加熱しないことである 茹でるにしても急に熱を加えると せっかくの中身が皮が破れて漏れ出してしまい 非常に残念な事になる そしてもう一つは 十分に加熱することである これは身の安全に関わる重大な要素である
その他の虫食にも言える事であるが 寄生虫の問題がある キャノンワームも ピッケルギョウチュウというギョウチュウの一種の 中間宿主である 最終宿主は成虫のアベコベカミキリムシ このピッケルギョウチュウに人間が寄生されると 直腸に肉芽種が形成されその他の合併症を引き起こすため かなりやっかい くれぐれも生食はしてはいけないのである 注意 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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