この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝64」
キョウテンドウチ
ボウゼンジシツ目 シュウショウロウバイ科 この種ほぼ単独の分類である 温帯から亜熱帯にかけて分布する 漢字で表すと「驚天動地」である
まず 種から発芽した若木は 3m程度までその他の樹木と同じように生長する ここからがこの種の特色で その高さまで成長した後折り返し 今度は木の先端が地面を目指して生長するのである こうしておおよそ5年で見事なアーチを形作る さらにここから 一度地面に潜り幹から根を出すと またもや 先端は空を目指し伸び始めるのである こうして約5年単位でアーチを作り続けるのである
この木の作るアーチは 必ず時計周りに円を描き そしてさらに必ず 8個のアーチで一周するのである 古代人はこの円の内側を 神聖な場所としていたようであり 儀式の後が遺跡より発見されている 集落もこの木の円を中心として拡がっていたようである
しかしこの木も 周辺民族の移入により 焼き畑や燃料利用され激減 今現在円を描く状態まで生き残っている物は 両手足の指の数に満たない為 自然成育種は保護対象となっているのである
ただ 決して絶滅することはないだろう なぜならば 環境の変化に強く適応しやすく このアーチ状に生長する特徴が ガーデニング愛好家に大変気に入られており 庭の入口に多く利用されている 剪定さえ怠らなければ 一つのアーチの状態を維持できるそうである
しかし難点もあるそうで 一度アーチを描き始めると 大変規則正しく円を描くこの木ではあるが 最初のアーチはどの方向に向かうかは 運次第だそうである この最初に向かう方向の決定には 太陽の方向が関係している説や 障害物の存在による説などが今のところ有力であるが その説に従って栽培しても 今のところ思いどおりになったと言う報告は 出ていないのである この様に少々気まぐれである為 他人の土地や公共地が隣接している所での栽培には不向きである 土地に余裕のある愛好家は アーチに合わせてその他を整えるそうである
残念なことに この木は食用には全く向いておらず 何処を食べても美味しくなかったのである 心から残念である ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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