この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝63」
リュウガサボテン
漢字に直すと 龍牙仙人掌 その名の通り仙人掌の一種である
全体が太い棍棒状で 砂漠に生えるごく一般的な仙人掌に見える が その刺にこの種独特の特徴が表れる
仙人掌の棘といえば 細く鋭いものが多いが この種の刺は円錐状である 成長の度合にもよるが 直径1.5〜2.0cm 高さ4.0〜5.3cmの整った円錐で非常に硬度が高く 砂岩にならば突き刺さる位である この棘の性状から龍の牙の名が付けられたのである
また棘だけでなく 茎の硬さもそこそこ有るため この仙人掌の生えている砂漠の民族は 切り取ったこの仙人掌に持ち手を付け 使い捨ての棍棒として使用していた様である なぜこのようなことが解かるかというと 遺跡から出土した戦士の遺体の骨に この仙人掌の棘のDNAが付着した穴が 無数に空いていた為である 私は博物館にてこの遺骨を見たが 頭骨にいくつもの穴が空いており 一目見ただけで痛さが伝わって来たのである
この様に 武器として使うと 殴られる方も見ている方も 痛くて痛くて仕方がないこの仙人掌であるが 食用にすると 実はなかなか乙な味である 胡瓜の味に少しの苦みが乗った感じであるが ニガウリ程ではなく食べ易い また 砂漠という厳しい環境に生きる植物であるため その身に詰まった栄養価も高く 重宝されているようである 私は細切りにされたサラダでいただいた 味付けは細かく砕いた岩塩を少しかけて 食べている間は 砂漠に居ることを忘れてしまうほどであったのである ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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