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作品名:ORKの口伝 作者:出雲一寸

第26回   ガクガクムシ
この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝48」

ガクガクムシ

虫といっても昆虫ではなく
ネズミを最終宿主とする寄生虫である
正式名を
神経寄生型吸血線虫という

この通称の由来は
寄生されたネズミが
ロボットダンスのような
もしくは
惨劇の恐怖に震えるかの如く
不自然なカクついた動きをするように
なるからである

この寄生虫は
神経繊維の周りに寄生し血液を養分として生きる
この時排泄物として
神経伝達阻害物質
ディエンキボガイスリンを周辺にまき散らす
これによって
カクカクガクガクと
不自然な動きをすることになるのである

このように
ネズミの行動に悪影響を与えるのだが
ネズミが弱ってくると
吸血も排泄もしばらく止め
ネズミの体力の回復を待つという
観察結果が報告されており
どのようにして
ネズミの体力の現状を知るのかが
研究者たちに注目されているテーマである

今現在
人間に迷入した症例は報告された事が無いが
ネズミの通り道に食料を置いておくと
卵がネズミの糞に混じって出てくるため
食料の保存に付いては注意すべきである

おおよそ好き嫌いの無い
さすがの私も
寄生虫を食べることは宥恕して欲しいのである
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この文章は全てフィクションです


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