この文章は全てフィクションです ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝123」
タイタンダンゴムシの巨大化に関する報告
かつて紹介した巨大生物 タイタンダンゴムシが巨大化する原因について ある一定の研究成果が出たそうなので ここに報告する物である
タイタンダンゴムシ専門に研究している生物学者 ディカイ・イ・ムシスキーによる調査研究の結果 巨大化する原因として 種の遺伝的な特性ではなく、 腸内細菌および甲羅の表面に住む光合成細菌の作用が、 顕著であることが特定されたのである。 この腸内細菌は新発見である為、 ひとまず通称として タイタニアフィルスa・bと名付けられている。
腸内に住むタイタニアフィルスaは、 食料として食べた落ち葉などの植物性腐食物を、 非常に高い効率で分解吸収を促す物質を作っているのである。 その物質も正式名がない為、 今のところタイタニウムと呼ばれている。 このタイタニウムの作用の為、 その他の植物性腐植物を食料とする生物とは、 一線を画す大きさとなるのである。
この巨大化にさらに追い討ちをかけるのが、 タイタニアフィルスbである。 この光合成細菌はタイタンダンゴムシの甲殻表面におり、 クロロフィルを介さない形態の光合成を行うのである。 この光合成で生成された糖が、 甲殻の上を細菌のコロニーがリレー中継し、 タイタンダンゴムシの甲殻の下の体表から吸収され、 活動エネルギーとして利用される。 このため、 食事で獲たエネルギーを全て体の成長に回すことが出来、 巨大化するのである。
ここで注目すべきは、 タイタニアフィルスbの方である。 この細菌のコロニーを移植した服を、 もし人間が利用出来るようになれば、 この先まだまだ増えるであろう人類の食糧事情を、 一気に解決することが出来るのではないだろうか。 ただし皮膚に細菌を中継させておく為には、 常にコロニーを移植した服しか着ることが出来ない上に、 洗えない。 そのうえ、 この細菌は他生物に養分を吸収してもらわなければ、 自分の合成した糖に雑菌が繁殖し死滅してしまう。 そのため人間の生命活動に利用する為には、 まだまだ研究の余地があるようである。 それならばaの方は利用できないのかと言うと、 こちらの方は人間の食性からいって利用は不可能である。 植物性腐植物のみ分解吸収を促す為、 それを食べることの無い人間は利用しようがないのである。
だがしかし、 食事をしなくても養分を得る事が出来る可能性があるなら、 生命維持の為の負担が非常に軽減される。 将来食糧不足のため紛争が起こる可能性も減るだろう。 今後の研究の進捗に期待する次第である。
しかし私個人としては、 普通に食事を楽しめて尚且つ争いが無いことが、 嬉しいのである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー この文章は全てフィクションです
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