マンションに着き、須藤は高山が同じ階だった事に驚かされた。 陽子は須藤のマンションから荷物を取ると高山が送ると言うので、折り返しでエレベーターで消えて行った。
須藤と美保は二人を送り部屋へと戻った。
明かりを付け、須藤が冷蔵庫から飲み物を取り出し喉を潤していると、寝室へと着替えに戻った美保がキッチンへとやって来た。
「智くん」
『うん?どうした?』
「ありがとね。」
『ん?』
「二匹を飼うって言ってくれて、智くんが先生に言われた時に、どうしようと思ってた。」
『あぁ、なんかさあいつらは俺らが面倒みなきゃイケないきがしてさ…』
「うん、なんかあの子達を見たときに私、死んじゃった私達の子が生まれ変わって来てくれた気がしたの。よく考えたら日付とか合わないだろうけど。」
『実は俺もそうなんだよ、ひょっとしたら産まれてくるはずった子供達が二匹に会わせてくれた気がしたんだ。そんな事を考えてるの俺だけかと思ってた。』
「そうだよ、きっとそうだよ。」美保はボロボロと泪を浮かべて須藤に抱きついた。
須藤は美保を抱き締めながら柔らかな安心感に包まれていった。
そして妙に身体が火照って、頭に鈍い痛みを感じた。 視界はグルグルと回っている。
だんだんと薄れ行く意識の中で須藤は微笑む二人の赤ん坊を見た気がしていた。 (明日は晴れるといいな)
そう思いながら、須藤は意識を失った
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