莉菜の話が終わった後、僕らは車を降りて海の見えるベンチに腰掛け手を繋いだまま話を続けた
「いつからか・・多分さっき話した、透が手を引いてくれた日の少し後からか・・私、あの頃透の事を好きだったんだ…」
少しの沈黙が流れる…
「だから、透が美空と付き合い出して凄くショックだった…ううん、多分ショックだったから透が好きなんだって気づいたんだよ…きっと」
「だからね・・あの日、コンビニから手を引いてくれたあの日…それからキスしたこと凄く嬉しかった…離れ離れになるのを私は解ってたんけど、これからも頑張れるっておもったんだ…なのに…」
『莉菜…』
『俺さ、莉菜を始めて見かけた日、感じたんだ…』
「うん?」
『いや、と言うよりあの時の感情がなんなのかがこの前久々に会った時にわかったんだ、莉菜と俺はきっと…ずっと二人で手を繋いでいく二人なんだって。』
『ずっと好きだった。これからも…莉菜さえいいなら、俺はこの手を…』
公園の街灯の小さな灯かりの下、莉菜はうなずくように僕にキスをした。
時を越えて、高校生のあの頃に戻ったような、甘い甘い接吻・・・
長く長く感じるような、短い時間。
僕と莉菜は、長い時を越えてお互いの秘めた想いを確認しあった。
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