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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第43回   seen43〜いつもそばで〜
違う未来の時間で瑠佳と住みはじめてから、起こされるのは、何時も謙二の方だった。

小さな声で何時も瑠佳は身体を揺すりながら、名前を呼んでくる。

「けんじ君、けんじ〜もう謙二〜!!」
そうこんな感じで……

あぁ夢か〜なんか永い夢を見ていた気がする。


!!! ?


その瞬間、謙二は確かに手の感触を感じた、懐かしい声が自分を呼んでいる。


不意に、謙二は状態を起こした。


目の前には、瑠佳が懐かしい笑みを浮かべこっちを見ている。

謙二は、右手を瑠佳の顔に当て感触を確かめた。

「おはよう、謙二。」

瑠佳の左目にはうっすらと涙が浮かんでいる。

『るか……あぁ、おはよう。瑠佳……』
思わず謙二は、瑠佳を抱き締めた。

涙は既に頬へと溢れている。今の気持ちをどう表したいいだろう。 今の喜びを何人に伝えたら満足するだろう。今の瑠佳への愛をどんな単位で表したいいだろう。

堪えきれない感情わ嗚咽となり、言葉に出来ない想いは次から次から溢れるのに、上手く言葉に出来ない。


ただただ、これが夢で無いことを祈るばかりだった。

「謙二君、今までゴメンね。それとちゃんと忘れずにいてくれてありがとうね。」

謙二は返事も出来ず、首を何度も横に振るだけだった。


『ルカ…あ゛い゛じてる゛……』

「うん、私も愛してるよ。こうやってまた逢えるのも謙二君のおかげ……」

二人はゆっくりと見つめ合い、月明かりの中、ゆっくりとKissをした。


永く、優しい。


愛はまた、二人の間に灯り始めた。


これからもずっと二人のそばに……


そばに置かれた契約の石は、小さく砕けちり、星屑のように二人の側で瞬いていた。


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