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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第35回   seen35 〜10 years of love〜
謙二と瑠佳の事は何時しか謙二の家族にも知れるようになる。

たぶん亜樹奈経由で……

謙二が瑠佳の存在を両親に話した時にたまたま、母方の叔父が家に来ていた。


両親よりもその叔父が謙二達に賛成してくれていた。


そんなある日、瑠佳の事件から3ヶ月程たった時、謙二の両親が車の事故で亡くなった。


色んな事をしなければならなかった。しかし合間、合間を見付けて謙二は瑠佳の所へと出かけた。


叔父が謙二のサポートをしてくれていた。

瑠佳は病状の危機は脱していたものの、目覚める事はなかった。 深い深い眠りに堕ちて、医者も原因が解らないままになっていた。


両親の事が落ち着いた頃、謙二は瑠佳の父親である孝に呼び出された。


小さな居酒屋で、二人だけで酒を交わし、謙二は緊張のあまりまったく話せなかった。

その内、孝はぽつりぽつりと謙二に語り始めた。

自分が学生結婚で、当時両方の親に大反対の中、結婚したこと。

そんな親類を見返す為に精一杯働き、何時しか家族をかえりみなくなっていたこと。

何時しか自分が、大切な娘達の事を何も知らない事に気付いた事を。

瑠佳の事があり、隠し隠ししていた家族の現実を突き付けられた事。


二度は言わないからと、前置きして孝は「瑠佳を頼む」と謙二に頭を提げた。


謙二は帰り際に見守った孝の背中がとても大きく見えた。


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