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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第33回   seen33 〜10 years of love〜
朝、眼を覚ますと謙二は不意に朝食をとっている両親に『ありがとう』と告げた。

深い意味はなかった。

ただこの数日で、不思議と両親の顔を見て、感謝の感情が湧いてきて、つい口に出してしまった。

謙二の両親は突然の事にめんをくらっていた。


勤め先に暫く休む旨を伝え、瑠佳の病院へと向かった。


途中、花屋で花束を買いゆっくりと病院に向かった。


そういえば、朝光太郎からメールが届いていて驚いた。


内容は、瑠佳と謙二のパソコンと携帯のメールに細工をしたという内容だった。

パソコンのメールソフトを調べると、謙二が元いた“刻”の瑠佳と出会った時のメールが日付だけ替わり送受信してあるように残っていた。

調べると、謙二が立ち上げたホームページが内容はデタラメに、立ち上げられており、そこでのやり取りも今より少し前の日付で書かれていた。

多分これがドゥルーシラが言っていた、サービスかも知んない。


謙二は病院で瑠佳の姉と母親に自分達の関係を説明した。


始めは疑われていたがこの刻を駆ける前夜、瑠佳との最後の食事の日に瑠佳が話していた家族の話をして、何とか半信半疑のまま見舞いを許された。

次の日に、姉の彩花が瑠佳のパソコンを調べ瑠佳と謙二のメールのやり取りを見つけた。

そして瑠佳の日記を見つけ、母の酒井楓と彩花は謙二の言動を信用する旨を伝えてきた。


それから10日間、謙二は瑠佳のベッドに毎日見舞い現れた。

そんなある日、謙二はドゥルーシラに再び遭遇した。


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