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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第22回   seen22煌く時の中で〜
なんで?……

瑠佳にはその言葉しか浮かばなかった。
あの時と同じ様に、謙二の友人と、男が言い争っている。


瑠佳は気配を悟られないように出来るだけ近付いて行った。


「だからっ離してよ。ちゃんと断ったでしょ?」

「菅井君。いや亜樹奈……なんでそんなこと言うんだ。それにさっきの男は何だ?君はどうして…」

「あれは、只の幼なじみよ。送って貰っただけ。」

「いや、いいんだ。言い訳なんて聞きたくない。何時しか君は売女になってしまったんだな。俺がこんなにも愛してるのに!!!!!」

「何で?私は貴方の事は」

「お仕置きが必要だな。うんそうだ。お仕置きが必要だ。」

「なに?何するの?い…いや……」

「君が悪いんだ、僕の気持ちを知りながら、弄ぶから。」

男はスーツの内ポケットから、ナイフを取り出すと、亜樹奈に刃先を向けた。

「いや!!ヤメテ。イヤー!!!!!!」

「亜樹奈、こうすれば君は僕の物だ……」

男はゆっくりと亜樹奈に近づく、亜樹奈は恐怖に身体が硬直して立ち尽くしていた。


『亜樹奈ー』

微かに遠くから、亜樹奈を呼ぶ声が聴こえた。


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