20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第21回   seen21〜煌く時の中で〜
あの日と同じベンチに座り、瑠佳は謙二の事を考えていた。
高校生の自分に戻り、ドゥルーシラの店に寄って幾分かの話をして、ここに来た。

光太郎と呼ばれる男からドゥルーシラの過去を聞いた。

異端と呼ばれ蔑まれ、罪を犯して、呪いをかけられた。

ドゥルーシラを自分とダブらせて瑠佳は思わずドゥルーシラを抱き締めてしまった。

自分の“刻”を奪いさる張本人なのに、その時はどういう訳かドゥルーシラが小さく怯える少女に見えたから。


謙二が瑠佳の為に用意した指輪を眺めながら、謙二は今頃は友人を送り届けているだろうと想像していた。


出来るならもう少し、一緒に居たかった。

でも……これで良かったんだと自分に言い聞かせた。


話し声が聴こえてふとそちらを見ると、

男女が此方にも向かってくる。


何やら言い争っているように見える。


瑠佳が眼を凝らすと、それはあの日と同じ二人に見えた。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 7938