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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第2回   seen2〜プロローグ〜
しかしそれは謙二の胸中にある寂しさと云うか虚無感のような物を埋めるに至らなかった。


菅井亜樹奈が不倫相手から殺害されてからもうすぐ5年になる。 それは謙二が亜樹奈と会ってから数分後の事だった。

もう少し引き留め無かった自分に対する罪悪感にずっと苛まれている。

9月18日の日付が来る度に謙二の胸中は痛め付けられた。

そんな時に謙二はルカと名乗るハンドルネームの少女と出逢った。

ポツリポツリとコメントをしてくるルカに謙二は不思議に興味が湧いていた。



−ーーーーーーーーー

ふと、瑠佳のベッドの横で眼を覚ました健二は確かに思い出として残っている、別の“刻”の記憶を夢に見て頬が濡れている事に気付いた。

今の“刻”の世界では菅井亜樹奈は生きているし、昨年結婚もした。

この二つの“刻”の認識に謙二は未だ困惑している。


ただ今は瑠佳が目覚めてくれるのを待っているだけしか出来なかった。


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