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作品名:刻(とき)の代償 作者:くだりゅう

第18回   seen18〜過去の真相〜
『亜樹奈って、あれ?恋愛とか悩んでる?』

結局、色々考えたにも関わらず謙二は、久しぶりに(?)観た亜樹奈を前にしてすっとんきょうな言葉しか出せなかった。

「えーと…そんな事話すために呼んだの?そりゃまあ今は、順調よ。」

『そうか、ならいいんだ。ほらストーカー?そんなのになってないか心配だったからさ。』


「え!?なんで知ってるの?誰から聴いたのよ?」

『いや、ほらこの前不倫だって言ってたからさ、』

「そんなこといったかなぁ。大丈夫よ。わたし…今は幸せだし。それに…」

『それに?』

「稲守の奴も、この前きつく言ってやったからもう近付いて来ないでしょ。」

『あ、やっぱり…』
「やっぱりって何よ、まさか稲守の事も知ってんの?まさかあんたまで…」

『ち…違うよー。ほら、あの子に聴いたんだよ、髪の毛が長い。』

「あぁ、彩かぁ。あいつ〜。とにかく私は大丈夫だから。」
『あ…あぁ。そうだもう暗くなり出したし、近所まで送ってくよ。』

「え?いいよー。もう子供じゃ無いんだしっ。」

『頼む、今日は送らせてくれないか?』
謙二は是が非でもと、つい亜樹奈の腕を掴んでいた。

「ね〜ちょっと痛いよ。分かった、分かったから話して。」
『あっごめん、ごめん。つい。』

「まったく、アンタは昔から心配症なんだから。も〜、昔これぐらい強引だったら良かったのに……」

『え?』

「ううん、何でもないよ。さあ行きましょうか。」

代金を払い、二人は喫茶店を後にした。


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