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作品名:みどりの孔雀 作者:zamazama

最終回   梗概および作者のごあいさつ
長々とご精読、感謝いたします。
   ありがとうございました。


               PN 座間恭平




   「みどりの孔雀」 梗概


  


 小学四年生の天堂ゆりかは、人づきあいの苦手な内気な女の子だった。学校での毎日がとてもつらい。
 ある日、いつものように空き地で時間をすごしていると、ふと目についた銀のブローチをひろう。その直後、担任の先生からのにせ電話で呼びだされたゆりかは、あやしい黒づくめの二人組と出会う。二人は自分たちがカンバーランド王国から派遣されたのだと言い、ゆりかのことをロデリアという王女と勘違いする。どうやらゆりかがひろったブローチが誤解の原因らしい。そのブローチは、ロデリア姫の身分を証する証拠の品らしいのだった。ゆりかは必死で抗弁するが、二人の男はゆりかをさらおうとする。
 その時、人間の大きさもあるみどり色のクジャクが出現、目から放った怪光線で二人組を消し、みずからも姿を消してしまう。ゆりかは交番にかけこみ、おまわりさんに話すが、逆にうそをついていると思われ、お説教をされてしまう。
 その帰り道、途方にくれるゆりかの前に、見知らぬ女の子を連れた謎の女性が現われた。女はさっきのクジャクの変身した姿で、カンバーランド王国の宮廷魔法使いパピリカ・パピリトゥスだと名乗る。一緒に連れていた女の子こそ、ゆりかが間違われたロデリア姫その人だった。二人はわけあって王宮を逃げ出し、今も逃亡のさいちゅうなのだった。ゆりかはロデリア姫にブローチを返すが、それがないと、元の世界に帰れなくなる大事なものだった。感謝したロデリア姫は、ゆりかを“魂のふたご”にしてくれた。二人は永久の友情を結ぶ。
 パピリカは万一の場合にそなえ、追手が現われた時の用心にと、ゆりかにみどりの宝石のついた美しいペンダントをわたす。それは〈孔雀天使のペンダント〉と呼ばれ、魔法の呪文を唱えると、いつ、いかなる時でもパピリカ・パピリトゥスを呼び出せるのだった。
「ただし、このことは、誰にも秘密にしてください」とパピリカは念を押す。二人はゆりかの前から去った。
 数日後、デパートに行ったゆりかはあやしい女に狙われる。敵があらわれたのだ。マデリンというその若い女こそ、パピリカの言う追手だった。マデリンは妖術を使いゆりかをあやつると、罠を張った魔法屋敷で、パピリカを待ち伏せする。マデリンにあやつられるまま、パピリカを呼び出すゆりか。だが、罠に感づいたパピリカが、逆にマデリンと、マデリンの手下のイゴールの繰り出す魔法攻撃をかわして、二人を撃退する。まんまととらえたマデリンをハデスの野に送り、罰するというパピリカ。だが、ゆりかはマデリンをゆるしてやるように、パピリカに頼む。
 運良くマデリンを追い払ったゆりかだが、敵は次々と魔の手を伸ばしてくる。ゆりかが王女の“魂のふたご”となったことを知り、王女を誘い出すべく、ゆりかに狙いを定めてきたのだ。ゆりかのクラスメートを介して、怪奇植物マンドラゴラを小学校に送り込むと、マンドラゴラは人間に成長、ゆりかを捕えようとする。間一髪、ペンダントの守護の力により難を逃れるゆりか。
 呪文で呼び出されたパピリカは、相手がマンドラゴラだと知ると、少しひるんだようだった。実はパピリカは魔法学校の授業中に起きたことがきっかけで、マンドラゴラが苦手だったのだ。
 マンドラゴラの性質を慎重に探るべく、パピリカは魔法の国の中心にそびえるククラット山の地下の〈世界図書館〉におもむくと、マンドラゴラの天敵である〈世界のゾウ〉に加勢を頼むことにする。そのゾウ、ナーガラージャは、親友のパピリカの願いを二つ返事で聞き入れ、得意の魔法でマンドラゴラの追跡にかかる。
 マンドラゴラはパピリカたちの裏をかいて、ゆりかの住む町の神社に身をひそめていた。パピリカたちに追いつめられ、神社の主であるからす天狗の妻と子供を人質にとると、からす天狗にパピリカたちを襲わせた。事情を知ったパピリカは、マンドラゴラから人質を取り返すことをからす天狗に約束する。しかしマンドラゴラの行方は杳として知れない。
 その時、ゆりかの耳にかすかな泣き声が聞こえてくる。なんとマンドラゴラは追手の裏をかいて、からす天狗の子供の持ち物である御伽草子という絵本の中に隠れていたのだ。一行は直ちに本の世界に飛び込み、その中で鬼や絵草子の侍たちと知り合いながら、ついに死闘の末マンドラゴラを倒して、人質を取り返す。だが、戦いの最中、マンドラゴラの発した言葉から、ゆりかは意外な真実を聞く。
 てっきり悪い奴に追われて、お城から逃げているとばかり思っていた、パピリカとロデリア姫だったが、どうやらパピリカはうそをついているらしい。ゆりかはパピリカに逃げ出した真相を聞こうとするが、逆にパピリカの逆鱗に触れてしまい、深く傷つくのだった。そのことをすまなく思うパピリカは、時期がきたら必ず真実をゆりかに打ち明けることを約束する。
 敵はまだまだひるまず、あらゆる者に姿を変える能力をもった怪物〈マボロシ〉を送り込む。マボロシはゆりかに化けて、ゆりかが友人に貸したペンダントをまんまと盗み取るが、間一髪、駆けつけたからす天狗のおかげで、ことなきを得た。だが、敵はついに最後の手段に出ると、ゆりかはついにパピリカに化けたマデリンに捕えられ、魔法の世界バルトにある、カンバーランド王国のマデリンの城へと連れて行かれてしまう。



                                    (第一部)








 マデリンはゆりかの体を二つに分けると、一方のゆりかをコントロールして、パピリカを誘い出すために使おうとする。そこへパピリカが現われ、ゆりかを救出した。ゆりかの目の前に、成長したロデリア姫が現われる。ついにロデリアの口から、二人が逃げている本当の理由が明かされる。ロデリアの父、カンバーランド王国の国王キンケリアン十世は、隣国の支配者ラフレシア大公と賭けをした結果、ロデリアを大公の世継ぎと結婚させる約束をしてしまった。しかもその約束は、この世界の天の法廷とも言うべき〈天球院〉に届けが出されていたため、反故にすることが出来ず、従わない場合には、ペナルティーとして、カンバーランド王国は隣国に攻め滅ぼされるか、〈天球院〉に制裁を加えられるのだという。
 隣国プンデルカンドの領主の息子、アヨング・オキの悪い評判を知っていたロデリアは、自分の運命に絶望して、パピリカを連れて城を脱走。姫を連れ戻さなくては王国が滅亡すると知った王宮は、代わりの魔法使いマデリンに頼んで、パピリカとロデリアを探していたのだった。ロデリアは覚悟を決め、王宮に戻ることを決意する。ゆりかはロデリア姫に同情するが、自分ではどうすることもできない。
 王宮に戻った一行は、王と王妃に迎えられ、パピリカは捕えられてしまう。その頃、ゆりかの分身を手に入れたマデリンと手下たちは、原因不明の消失を遂げてしまう。
 パピリカの身を案ずるゆりかの前に、ペンダントの精が現われる。ペンダントはゆりかがマデリンに捕まった時には、鳥に姿を変えて逃げのびていたのだった。ゆりかはペンダントの精に頼んで、ロデリアのいいなづけに決められていたアヨング・オキに会ってみようとする。できたらアヨングを説得し、ロデリアとの結婚をやめるように説き伏せるつもりだった。二人はプンデルカンドへ向かい、そこでアヨングが生まれつき盲目だが、聡明な若者だと知る。しかも、アヨングの方でも、ロデリアとの結婚を望んではいなかった。アヨングの話では、彼の父ラフレシア大公は賭けの約束を口実に、プンデルカンドとカンバーランドを併合し、行く行くはプンデルカンドをバルト世界一の大国にしようと企んでいるのだという。
 意外な事実に驚くゆりか。その時、ロデリア姫の使いの者が、姫からの手紙をアヨングにもたらす。手紙の中でロデリアは、アヨングと二人だけで会いたいと言ってくる。ゆりかは、ペンダントの精と、プンデルカンドの王宮に仕えていたパピリカの従姉妹の魔法使い、ペヨルカ・ペヨルスカと三人で、手紙に書かれていた〈出会いの井戸〉に潜み、そこに現われる姫君が本物かどうかを確かめることにする。意外なことに姫は本物だったが、その場にいてこっそりと様子をうかがっていた、謎の生き物の存在に、三人は気がついた。
 ゆりかはロデリアの結婚をやめさせる最後の手段として、約束の実行を迫る〈天球院〉に赴くが、そこは人間の知恵のおよぶ場所ではなく、二人の結婚には二人のあずかり知らない、ある運命が働いているのだと言われてしまう。ゆりかはそこで自分の過去と未来も見せられ、それに関する記憶を消されてしまう。
 ついに明日が結婚式という日、王国の国民の一部が王女の結婚に反対して、王宮に押し寄せる。今にも暴動が起こりそうな気配に、ロデリア姫は機転をきかせて、明日プンデルカンドにお輿入れするのは、自分ではなく、ゆりかの方だと宣言し、ことなきを得る。その夜、ロデリアはゆりかに永遠の友情を誓い、〈薔薇宝珠〉のネックレスをゆりかに渡した。
 翌日、ゆりかとロデリアは馬車に乗って城を出発するが、途中の森の中であやかしの魔法に捕えられ、行方不明になってしまう。
 一方、結婚式の準備を終えたプンデルカンドの王宮に、にせのロデリア姫が到着し、あわやアヨング・オキと結婚が成立しそうになったまぎわ、パピリカとゆりかが魔法で脱出して駆けつける。にせのロデリア姫はマデリンの変身した姿で、マデリンは何者かにあやつられていた。パピリカとゆりかは逃げ出したマデリンを追うが、ラフレシア大公は謀反を計画していた家臣の一人に殺害されてしまった。
 パピリカとゆりかは、とある山頂にマデリンを追いつめ、正体不明の敵と渡り合う。敵はどうやら霊的存在らしく、ゆりかの分身に乗り移ると、一度はパピリカを破るが、からくもパピリカに撃退され、姿を消す。その霊はマデリンの邪悪な秘法により、暗黒の世界から呼び出されたものらしかった。
 ラフレシア大公の突然の死により、結婚の約束は無効とされ、ロデリア姫は晴れて自由の身となった。一方、ゆりかは分身と再度合体すると、ロデリア姫に別れを告げ、パピリカに連れられて、元の世界へと戻るのだった。




                                 (以上、第二部)


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