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作品名:みどりの孔雀 作者:zamazama

第32回   プンデルカンドへの飛行
     プンデルカンドへの飛行




 城の外での異変にもかかわらず、ゆりかの生活は、無事に過ぎていった。王女はゆりかを連れて城の中を案内し、さまざまな美術品や骨董品を、ゆりかに見せてくれた。王宮にある宝物は、どれもこれも一級品で、国王が所有する壺や、刀剣、絵や彫刻、鎧兜やタペストリー、拍車や数々の工芸品など、いつまで見ていても、あきさせないのだった。
 ゆりかは毎夜、城の中庭で催される、国王主催のコンサートも気に入った。そこで奏でられる、ハープやシタール、名も知れぬ異国風の楽器の、あやしくも悲しいメロディーに、ゆりかはいつまでも、聞きほれていたいと願うのだった。
 また、ゆりかは、この国に伝わる物語にも、感心させられた。
 中でも、ゆりかに特別に強い印象を残した、ある物語があった。
 それはうら若い恋人たちと、一羽の魔法の鳥の物語で、親同士が憎みあったせいで、結婚をゆるされなかった若い男女が、イチジクの陶器の置物に変えられて、天の宮居へカケスによって運ばれるという内容だった。
 この話は、バルト世界ではそうとうに有名らしく、お城の一室でこの劇が上演された際には、観客たちは目に涙を浮かべて、おしみない拍手を送ったものだった。
 ゆりかは劇を見終わったあとで、隣の座席に腰かけていた王女に、そっと耳打ちをした。
「あの、地球にも―― わたしのいた―― ところにも―― これとそっくりの―― お話があるのよ―― 『ロミオとジュリエット』っていうのよ―― シェイクスピアっていう―― 外国の人が書いたの。確か、イギリス人―― だったかな?」
「シャクスピア? イギリス人? どちらも聞いたことはないわね」
「二人とも死んじゃうのよ。劇だけど、とっても有名なお話なのよ」
「もしかしたら、そのシェクストンて方も、こちらへ来たことがあるのかもしれませんわね。それで似たようなお話を、書けたのかもしれませんわよ。そうはお考えになりませんか?」
「まさか、王妃さま!」
「それって、どんなお話? いつか聞かせてちょうだいね、ゆりか」
「いいわ。今すぐに、ロデリア?」
「そうもしたいけど、私、これから寝る時間まで、修辞学と訓示法を、勉強しなきゃならないのよ。また今度ね」
「さようなら―― おやすみなさい、王女さま」
「おやすみ、ゆりか」
 ゆりかの毎日はこんな風に過ぎていったが、ゆりかはそのあいだも、パピリカのことを片時も忘れたことはなかった。王女やイパメルや、城詰めの兵隊たちに、ことあるごとにパピリカのことを尋ねて回ったが、誰一人、教えてはくれなかった。
 ひょっとしたら、パピリカはもう処刑されてしまったのかもしれないと考えると、ゆりかはいても立ってもいられなくなり、大声でパピリカの名前を叫びながら、お城の中を走り回りたくなるのだった。
 ゆりかと親しくなっていた、ある城詰めの兵士(かれは王宮の警備を担当していた)が、ゆりかの悲しげな表情に心を打たれて、自分がパピリカの様子を見て来ましょうかと、申し出てくれた。
「ええっ? そんなことができるの?」
「できますとも。ひとっ走り行って、牢屋の様子を見てきましょうか。あのクジャクさまに、何か伝えることはありませんか?」
「待って!」
 ゆりかは座っていたイチジク模様の背もたれつきのソファーから飛び下りると、サイドテーブルの一つに駆け寄り、インクと便箋と羽根ペンを取り上げて、つぎのような文をしたためた。



        しんあいなるパピリカさま
        お元気ですか?
        お変わりはありませんか?
        何かこまったことはありませんか?
        わたしはお姫さまと
        毎日、元気にくらしています。
        いつか会いに行きます。
     
                   ゆりか



「しまった! わたし、日本語で書いちゃったわ!」
「大丈夫でしょう。あのお方なら、どんなお国の言葉でも、魔法を使って読めるでしょうよ」
「でも、パピリカは王さまに、魔法は使わないと、約束をさせられたのよ」
「それは、魔法を使って脱走をくわだてないという約束で、このくらいのことに魔法を使うのは、かまわないのじゃないでしょうかな? わたしなら心配はしませんよ。これを届けに、クジャクさまに会いに行ってきましょう」
 兵隊は出かけ、しばらくすると戻って来た。
「会えましたよ。二人きりというわけには、いきませんでしたがね」
「ありがとう! どうもありがとう! 本当に、どうもありがとう! 果物でもどう?」
「いただきましょうかな」
 兵隊が、鉢に盛られた〈パン・ヤンの実〉をぱくついているあいだに、ゆりかは兵隊にもらった、丸めた便箋をほぐし、裏に書かれたパピリカの返事に、素早く目を走らせた。



       ゆりかさん
ご親切に、どうもありがとうございます
私のことは
心配ご無用に願いたいものですね
ここで静かに暮らしていますわ
私のことより
ご自分のことを、心配なさいな
あなたとの連絡用に
うってつけの人物を送りますから
その人物を頼みになさい
マデリンの城での異変のこと
消えたあなたの分身のこと
どうか、ご心配なさらぬように!
それからあまり物を食べすぎないでね!

あなたの忠実なる、友にしてしもべたる
パピリカ・パピリトゥスより
       



「まあ、『あまり物を食べすぎないでね』なんて、失礼しちゃう! あの人らしいな!」
 ゆりかは手紙を折りたたみ、しばらく胸に押しあてていた。
「それで、これを書いた時、パピリカさんは、どんな様子だったの?」
「へええ。とくに変わった様子はありませんでしたよ。というよりも、魔法使いさまとは、じかに会って話せたわけではないんですよ。その手紙も実をいうと、牢屋にいた番兵と無駄話をしているすきに、牢屋の隅に丸めて放り込んだのですよ。返事の方は、牢屋を出る時に、手紙の方から私を追いかけてきたので、ポケットに入ろうとするのを、パパパッとつかんで、ここへ戻ってきたような次第です。それはそうと、この果物は実にうまい! もっと、ちょうだいしてもよろしいですかな?」
「ええ! ええ! どうぞ! どうぞ! どうぞ! ところで、ええ・・・と―― 兵隊さん、お名前は?」
「バンカーロです」
「それで・・・バンカーロさん。ここに書いてある、『うってつけの人物』って、一体、誰のことだと思う? あなたには、心当たりはない?」
「へええ、そんなことが書いてあるんですか? はばかりながら、他人さまあての手紙を盗み読みするような真似は、金輪際いたしませんのでね!」
「ごめんなさい! そんなつもりで言ったんじゃないのよ! ああら、その果物、そんなにお好きなら、全部持って行っていいわ」
 兵隊は大喜びで、鉢ごと持って行ってしまった。
 あくる日の午後、ゆりかが一人でお城の中庭をぶらぶらしていると、後ろからゆりかを呼ぶ声がする。ゆりかがふり返ると、見たこともない女の子が一人、思わせぶりに、にこにこと笑いながら、手をふってきた。
「あの、あなたはどなた?」
「あらあ! お久しぶりですわね、ゆりかさん! 本当におなつかしいですわ! わたし、パピリカに言われて来ましたのよ、あなたさまのお世話をするようにと。どうか以前と同じように、あなたさまのおそばに、置いてくださいまし」
「あの―― 以前て・・・わたし、あなたのこと・・・全然、知らないけど―― あなたは・・・誰なの?」
「まあ! わたしが誰だか、おわかりにならないんですか? ひっどいなあ! いつも、あなたのおそばにいたのになあ!」
 ゆりかが不思議そうにながめていると、女の子はくるくると回り出し、こんな歌を歌い出した。



         パピリカ パピリカ
           すぐに来て! 

         パピリカ パピリカ
           やって来た!

         ドラゴンに怪物
           鬼どもやっつけ

         パピリカ 帰るよ
           魔法の国へ!

         はてさて
           わたしは 誰でしょう?



 女の子はゆりかと同じくらいの年格好で、栗色の髪に、みどり色の神秘的な瞳をして、とてもエレガントな、透き通るような服装をしていた。ゆりかが見つめていると、その女の子は、謎めいた微笑を浮かべて、さらに近づいてきた。
「あ―― あなたは―― まあ! あなたは―― 魔法の―― ペ、ペンダントなのね! あなたは―― あの―― み―― みどりのしずく石の―― ま、魔法の―― ペ、ペンダントなのね!」
「そうです! 思い出していただけました! よかったです!」
 女の子はもう一度、にっこりとした。
 着ている服や、ちょっとした仕草に、ペンダントの頃の面影が、確かに残っているような気がする。ゆりかは信じられない面持ちで、女の子を見つめ直した。
「あはは。おどろくのも無理はありませんけれど、忘れてもらっては困りますわ、ゆりかさん。ハコネとかいう場所の林の中に、わたしを置きざりにするなんて!
 あの時は、どうなることかと思いましたわ。あなたはどこかへと行ってしまうし、マデリンが姿を消して、あたりをうろついているし、助けようにも、あなたのまわりにはあやしげな魔法がうずを巻いていて、あなたを見つけることが、どうしてもできなかったのですわ。仕方がないから、わたしはヒバリという鳥に姿を変えて、パピリカのもとへと、逃げ帰ったのですわ」
「まあ、そうだったんですか? おかげで、わたし、とってもえらい目にあいましたわ。あなたのことを探しに行く途中で、あやうく死ぬところだったんだから! パピリカに化けた、マデリンのせいだけどね」
「そんなことをおっしゃられても、あなただって、わたしのことをぞんざいにあつかったじゃありませんか。お友だちに貸して盗まれたり、敵のまどわしに引っかかって、地面に落としてしまうなんて。
 あの時、わたしが、
 『危険よ、戻って!』
 と叫ばなかったら、あなたは、どうなっていたと思いますか? あなたは、あんなことをするべきではなかったんです。わたしを大切にしなかったから、罰があたったんです。いい気味! いい気味!」
「まあ、そうかもね。じゃあ、あの時、わたしが聞いたあの声は、あなたのだったのね? 本当にどうもありがとう! おかげで助かっちゃったわ。そのあと、すぐにつかまったけどね」
「わたしたちは、こんなところで、話し込んでいる場合ではありませんのよ。あなたの分身を早く探し出して、元の世界へと帰らなければなりませんのよ」
「だけど、マデリンたちは分身ごと、どこかへ行ってしまったんでしょう? お城の人たちが探してくれてるって、王さまが言ってたけど―― あっ! それじゃあ、手がかりがあったのね?」
「それが―― まだなんです」
 女の子は急にもじもじした。
「ええっと―― ところで、あなた、お名前は何ていうの? 名前がないんじゃ、呼びにくいわ」
「わたしには名前はないんです。ただのペンダントの精ですから。もしよかったら、ゆりかさんが考えて、つけていただけませんか?」
「そうねえ・・・ペン子ちゃん、なんてどう? ペンダントだから、ペン子ちゃん」
「ペン子ちゃん。いいですねえ。わたし、ペンダントのペン子ちゃん」
 ペンダントの少女は両手を広げて、くるくると舞い踊った。
「ところで、と。さっそくですまないけど、ペン子ちゃん、あなた、プンデルカンドって、ごぞんじ?」
「ええっ、プンデルカンドですか? 知っています。この国の隣にある、とてつもなく大きな国ですよね」
「へえっ、そうなの? わたし、できたらそこへ行って、お姫さまの結婚する相手を、じかに確かめてみたいのよ。わたしをそこへ、連れて行ってくれないかな?」
「ええっ、プンデルカンドへ連れて行けとおっしゃるんですか? それはお安いご用ですわ。今すぐに、連れて行ってさしあげますわ」
「ええっ、本当? それから、そのていねいな言葉づかいだけど、もっと普通にしゃべってかまわないのよ。友だち同士なんだから」
「はい、ゆりかさん。ですが、わたしは、こういう風に生まれついているのです。誰かの首にかけられて、その人に生涯おつかえするようにと。ですから、わたし、これより、ていねいでない言葉づかいなど、到底できませんわ」
「まあ、そうなんですか? それは、それは―― 。それじゃあ早く、連れて行ってちょうだいよ、ロデリア姫の結婚相手のところへ」
「承知いたしましたわ」
 ペン子は、ショーを終わった手品師みたいに、ぴょこんとおじぎをした。
「それでは、目をつむっていてください。目を開けたら、そこはもうプンデルカンドですわ」
「まあ、ペン子ちゃんたら、いっちょまえに、魔法が使えるのね!」
「そんな! 魔法だなんて! わたしのはほんの、おしるしですわ。それでは、ゆりかさん、まいりますよ!


   “いなづま
      いなづま
        いなづま
     パッ!”」

 
 突然、ものすごいつむじ風が起こって、ゆりかは天へと向かって、吹き上げられた。
 ふいに、ドシン! という音がして、ゆりかは地面に着地した。
「えへへ。失敗、失敗」
 ふり返ると、ペン子が地面の穴から、自分の頭を抜き出しているところだった。
 ゆりかはペン子に笑い返すと、後ろに目を向け――
 ゆりかは口をきくのも忘れて、目の前の広大な景色に見とれていた。
 そこは碁盤の目のように美しく仕切られた、プンデルカンドの大宮殿の中庭だった。見渡す限り一面の、入り組んだ途方もない広さの、目にもあやなみどりの植え込みの、いたるところには、異国風の、あやしいいろどりの花々が、咲いて、咲いて、見事なまでに、咲きほこり、あちこちに置かれた、たくみな工匠の手になる、色とりどりの美しい水盤からは、見たこともないほど鮮やかな五色の泉水が、ここを先途とあふれ出している。
「いけない! 誰かこっちへ来ますわ!」
 ゆりかがうっとりとながめていると、ペン子が鋭く注意をした。
 何者かのこするような靴音が、こちらへと近づいて来るのが聞こえた。ゆりかとペン子は、すぐそばの柱廊のかたわらにある植え込みに、急いで隠れた。
 靴音が目の前で止まり、長々としたため息が、頭上から降ってきた。
「ああ!―― ああ!―― ああ!―― ああ!」
 重たい布を引きずる音とともに、何者かがため息の主に近寄ると、眠たくなるような甘ったるい声が、
「こちらにおいででしたか、わかぎみさま。お父上さまが、お探しでしたよ」
「おお、タルトンテップか? 父上が何の用なのだ?」
「おおかた、例のお祝いごとの一件でしょうかな。隣国からのお使者が、まいっておられるそうですからな」
「言うな、そのことは! あんな祝言など、私は金輪際あげる気はないのだぞ! お前もぼくの気持ちは、知っているだろう、タルトンテップよ?」
 しばらく声が途切れ、ゆりかは、二人が行ってしまったのではないかと疑った。
 突然、タルトンテップとかいう男の、甘ったるいしわがれた声が、
「ごらんなさいまし、わかとのさま―― 。そう呼ばれるのがおいやなら、プンデルカンドのご領主、ラフレシア大公殿下がご子息、アヨング・オキさま―― (ゆりかは心臓が止まりかけた)―― こうお呼びすれば、およろしいので?」
「そうだ。その方がずっと、真実に近いぞ」
「ごらんくださいまし、この輝くばかりのお庭を。ツキノヒカリバナも、あとふたつき、みつきもすれば、そのつぼみをほころばせ、目にもあやな、七色の花を咲かせることでしょう」
「だから、何だと言うのだ?」
「“すべてのわざには、時がある”と、いにしえの賢者も申しておりまする。なんぴとたりとも動かせぬ、時の法則が―― かの〈天球院〉の楽の音の調べが―― 」
「黙れ! いにしえ人の知恵を、さかしらにふりかざしおって! タルトンテップ、いまわしい奴よ! その方、一度でも〈天球院〉とやらを見たのか? そちの言う、楽の音の調べとやらに、実際に耳を傾けたことが、一度でもあったのか?」
「―― い、いいえ―― それは―― そ、そのう―― 」
「『ない』と申さば、その方の首、斬って捨てるぞ!」
「ひえええ〜っ。ご、ごかんべんを〜っ!」
 耳をつんざく悲鳴が聞こえるかと思いきや、あわただしい雨音にも似た、衣ずれの音が聞こえ、第三の人物が近づいて来ると、
「わかぎみさま、一大事です! 大変にございます!」
 甲高い、耳ざわりなきんきんするその声は、あとは、ゆりかには聞きとれない、いやらしいささやき声に変わった。
「そうか! あいわかった。すぐに取り計らうようにと、警備長官に伝えてほしい」
「おおせ、かしこまりましたわい」
「タルトンテップよ」
「ははあ?」
「こやつと―― ラル・シンといっしょに、お前も行け。それから、お父上とお使者にも、よろしくと伝えよ。私もあとから行く。あいさつくらいなら、してもよいぞ。今しがたまで、腹の調子を整えていたことにしよう」
「結構なお心がけで。おおせ、まことにもって、かしこまりましたわい」
「やかましいぞ、猿め。とっとと行け」
「ははあ」
 ラル・シンと呼ばれた三番目は、すぐに去ってしまったらしかった。
 タルトンテップの方は、うろたえた様子を見せているらしく、
「くれぐれも、お気をつけくださいまし、殿(でん)―― わかぎみさま。それから、その物騒なお腰の物は、どうか、おさやにお収めになってくださいまし。その気がなくても、ついうっかりと、わが身を傷つけて、せんない思いをいたすのが、神ならぬ人の身の悲しい“性”(さが)にございますゆえ」
「ことに私は、だな?」
「い、いいえ、め、めっそうも、ござ―― ございませんです―― せ、拙者―― ただ、ただ、ご注意を―― も、申し上げただけに―― ござ―― ござ―― ございます」
「たる腹の、やかん頭のタルトンテップよ。どうやら、くせものよりも先に、おまえのそのはげ頭の方が、たるのごときブヨブヨしたその胴体に、いとまごいを告げたいと見えるな。その方の願い、かなえてつかわすぞ」
「ひえ〜っ、そ・・・そんな・・・め、め、め、めっそうも・・・ござ、ござ、ございません!―― おた、おた、おた・・・おたすけえぇぇぇぇぇっ〜」
 タルトンテップは、走り去ってしまったようだった。
 しばらくのあいだ、アヨング・オキの笑い声だけが響いていた。
 それから、さいぜんのため息が、
「ああ! ああ! ああ! ああ!」
 植え込みに植わった、キンモクセイに似た花の、それより十数倍は強い香りが、鼻をくすぐったのだろうか、ゆりかはくしゅんとくしゃみをした。
「誰だ!」
 アヨング・オキが、鋭く尋ねた。





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