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作品名:みどりの孔雀 作者:zamazama

第27回   再会 (その一)
     再会 (その一)




 ゆりかはしばらく、その少女を見つめていた。
「どうしたの? 私をお忘れ?」
「いいえ、おぼえているわ。でも、あなた―― 本当にロデリア姫なの?」
「ええ、そうよ」
「だって―― ほら―― でも―― だって―― 本当に―― 本当に―― 王女さまなの? 声や顔つきは、確かに王女さまみたいなんだけどなあ・・・」
 ゆりかは疑わしげに、目の前で微笑んでいる女性を見やった。
 少女の年格好は、どう見ても十五、六歳はありそうで、ゆりかの知っていた王女さまとは、いささか年が違いすぎている。
「どういうことなの? 説明してよ、パピリカさん?」
「説明しろって、何をですか?」
 パピリカは王女に駆け寄ると、警戒するように、あたりを見まわしていたが、
「どうして、この人、急に大きくなったのよ? 前に会った時は―― 確か―― 確か―― お姫さまは―― 」
 まだ子供だったじゃないのと言おうとして、ゆりかは口をつぐんだ。
 なんだか、悪い夢を見ている気がする。
「あれから、途方もない年月がたったからですわ。あなたにとっては、ほんのわずかな時間にすぎなかったにせよですね。それより、こんなところに立っているのを見つけられては、それこそ、これまでの苦労が水の泡ですわ。お二人とも、こちらへどうぞ」
 パピリカが先に立って、二人を木立ちのあいだの、少し開けた場所に案内した。
 そこには直径二十メートルほどの、あのみどり色の光のあぶくがあった。ゆりかはこれと同じ物を、すでに絵本の中の大江山の戦いで目にしていた。
「お二人とも、あそこに入られてくださいな。その中なれば、いかなる魔法力の探知からも、逃がれられるはずですからね」
 お姫さまがあぶくの表面から、中に吸い込まれるようにして消えると、続いてゆりかの番だった。つるつる、すべすべしていて、のっぺりしたものが顔にはりつき、つぎの瞬間、ゆりかは〈次元のゆりかご〉の中に立っていた。
「わあっ、おどろいたなあ! 中は広いんだなあ!」
「でも、すごーく退屈よ。じきに、あきてしまうわよ、ゆりか」
「お姫さま、またわがままを言われてはいけませんわ」
 パピリカの声が聞こえ、初めに鳥の頭が、続いて胴体が現われると、
「ここならば、くつろいでいただけるのではありませんかしらね。ところで、さっきの続きをお話ししますが、お姫さまとわたくしが逃げ回っている、その本当の理由ですが―― 」
 ゆりかとロデリア姫は、さっと顔を見あわせた。
 ややあって、ロデリア姫が口を開いた。
「これはみんな、みんな、わたしのせいなのよ。みんな、みんな、わたしが悪いのよ」
「何か、よっぽどのわけがあるのね。話してみてよ」
 ゆりかにうながされて、ロデリア姫が話し始めたのは、つぎのような次第だった。


      ◇        ◇        ◇        ◇


 ロデリア姫の父君にして、カンバーランド王国の君主、アドルファス“金獅子王”キンケリアン十世と、隣国プンデルカンドの僭主(力づくで王位を奪った支配者)、ラフレシア・フリギア・ヨニモオオキナ大公とは、ある時、カンバーランドの大きな湖で、釣りの競技大会を開くことになったのだったが(どうしてそんなことを始めたのか、くわしいいきさつまでは伝わっていなかったが)、二人はほんのささいな口論から、果ては大きないさかいに発展しそうになったので、両国の将軍たちが協議の結果、その場で大きな魚を釣った方が、口論での勝ちを取るという条件で、あらためて魚釣りの勝負を始めた。結局、ラフレシア大公が大物のキスを釣り上げて、その日は勝ちとなった(〈ヨニモオオキナ〉という称号は、この時自分からつけたのだ)。
 ところが、二人の馬鹿な太公望たちは、勝負を始めるに際して、とんでもない条文をかわしていた。
 それによると、どちらか勝ちを取った方が、負けた方の世継ぎを(世継ぎが異性同士だった場合に限って)、自国の世継ぎの配偶者としてもらうこと、二人の世継ぎたちが同性同士だった場合には、負けた方の世継ぎが勝った方の世継ぎに、終生家来としてつかえること、もしもこの約束を破った場合には、勝った方が負けた方の領土を、無条件にぶんどれること、しかも、この約束の条文を、あらかじめ〈天球院〉にも届けさせるという、めちゃくちゃな条件までついていた。(ただし、片方、もしくは双方ともに世継ぎが生まれなかった場合や、片方、もしくは双方の世継ぎの系列が、全員早くに亡くなった場合には、その限りではないということも決めてあった)
 カンバーランド王国の側では、よもや相手が本気で約束を実行するとは、思ってもいなかったので、カンバーランド国王とプンデルカンドの支配者に、それぞれ女の子と男の子の世継ぎが誕生すると、上を下への大騒ぎとなった。
 ラフレシア大公は、〈釣りの日〉の約束の実行を、カンバーランド王室にしつこく迫るようになった。カンバーランド王国の国王や家臣たちは、地団駄を踏んでくやしがったが、もうあとの祭りだった。
 ある時などは、雄ヤギのひづめの紋章入りの羊皮紙に、〈ガムガム鳥〉の毛羽だった羽根ペンで書いた無礼な手紙を、ラフレシア大公は送って寄こした。



 親愛なるカンバーランド王国国王殿下
 貴国のげに美しき湖でかわせしあのお約束、よもやたがえたりはなされますまいな? こちらでは王女さまのお輿入れにそなえての、お部屋の造営をば終わらせもうしましたです。おん姫ぎみさまのお気に召しますよう、万事とりはからいますゆえ、お約束をたがえたりはなされませぬよう、くれぐれも、よろしくのほど、おん願いたてまつりまする。
 ついでと申してはなんですが、貴殿と奥方とが、ともにわが国で過ごせますよう、宮殿内にお二人の隠居部屋をも用意させておりますれば、ご遠慮なされず、姫ぎみともどもわが国にみえられて、終生こちらで過ごされてはいかがでしょうか?
 ところで、姫ぎみさまのお好みの色は何色でしょうか? その色をば用いて、新婚の二人の寝室をば、あつらえさせまするので、ご即答いただければ、幸いにござそうろう。

                  プンデルカンド国支配者
                フリギア・ヨニモオオキナ                      あなあなかしこ



 無知・無教養丸出しの手紙(しかも綴りは一部でたらめ)は、カンバーランド王国の国王と家臣団とを火のように怒り狂わせたが、前にも言った通り、〈釣りの日〉の約束は、すでにカンバーランド王国とプンデルカンド国の双方の伝達吏によって、かの〈天球院〉に正式に届けが出されており、もはやいかんともならなかった。姫は幼いながらも、毎日、自分の運命をなげき悲しみ、さめざめと泣いて暮らした。その頃には、両国とも仲たがいをして、行き来もできなくなっていたので、双方、相手の支配者の世継ぎがどんな人物か、確かめるすべもなくなっていた。(宮廷魔法使いも〈魔法組合〉という結社に属しているので、他国の内情を探るような真似は、組合の規則で禁止されていたのだ)
 ある日とうとう、お姫さまは、思いきった行動に出ることに決めた。
「ねえ、パピリカ―― わたし、このお城を抜け出そうと考えているのよ」
 その時、王女とパピリカは城のやぐらの一つにいて、カンバーランド王国の首都の町並みを、見下ろしているところだった。
「ええっ、何ですと!? 今、何と、おっしゃいましたの!?」
「そんなにおどろかないで。あなたにだけ、打ち明けるのだから」
「はい、わかりましたわ。おうかがいいたしますわ」
 幼い姫ぎみは、自分の考えを包み隠さず、パピリカに打ち明けると、
「―― というわけで、わたし、さんざん迷ったすえに、お城を出て行こうと考えたのよ。あなたはどう思う、パピリカ? このわたしがいなくなってしまえば、結婚の約束も何もかも、帳消しになってしまうんじゃないかしら? あなたは、そうは思わなくて?」
「わたくしの考えを述べろ、とおおせですか? それはとっても、危険な考えのような気がいたしますわね」
「だけどね、パピリカ。わたしのこれからに待ち受けている運命も、これと同じくらい、残酷で危険なものだとは思わなくて?」
 王女はそう言って、またさめざめと泣き出したのだった。
 パピリカは、しばらく黙っていたが、
「わかりましたわ。それで、いつ実行に移すおつもりですか?」
「ええっ? 何と言ったの?」
「あなたさまはいつ、そのお考えを、実行に移すおつもりなのですか?」
「さあ、そこまでは決めていなかったわ。ただ、そうできたらいいなあと、考えていただけよ」
 パピリカは、何ごとかを思いあぐねていたが、
「お姫さま、わたくしの先祖の大魔法使い、〈偉大なるパフーリン〉こと、パフーリン=パプリカ・パラドチカの言い伝えを、ごぞんじでしたかしらね?」
「パフーリン・・・ええ、知っているわ。いいえ、書物か巻物で読んだだけかしら? 〈いにしえの大魔法使い〉―― パフーリン=パプリカ・パラドチカって、確か〈この世の初めより、終わりまでを統べる〉天の御使いのクジャクのアルゴスとかいう伝説の生き物を、世界の果てへ探しに行ったのじゃなかったかしらね? そのまま行方不明になったと聞いたけれど・・・違った?」
「その通りですわ。今も、この世界のどこかに生きていると信じられている、〈いにしえの大魔法使い〉パフーリン=パプリカ・パラドチカ―― 。王女さま、わたくしといっしょに、その大魔法使いのパフーリン=パプリカ・パラドチカを、探しにまいりませんか?」
「ええっ? な、何ですってえ?」
「お姫さまとごいっしょできるならば、わたくしは―― わたくしは―― どこでどんな目に会おうとも、本望ですわよ」
「おお・・・わたしといっしょに・・・逃げてくれるのね?・・・ありがとう・・・ありがとう・・・パピリカ・・・本当に・・・どうも・・・ありがとう・・・」
「ちっ、ちっ、ちっ。王国の支配者の、お世継ぎともあろうお方が、そんなに簡単に、礼など言うものではありませんわよ。さあさあ、涙をおふきあそばせ。かしらを上げて」
 お姫さまは、パピリカが差し伸ばしたつばさの先で、目頭をぬぐった。それから、恐れを知らない二人の反逆者は、お城を抜け出す相談を始めた。
 そんなに重大なことを、こんなにあっさりと決めるなんてと、皆さんは思われるかもしれないが、身分の高い人ほど、思いきった行動を、実に簡単にとるものだ。
 そんなわけで、二人はある晩、王宮が寝静まってから、こっそりとお城を抜け出して、どこへともなく、行方をくらませてしまったのだった。


      ◇        ◇        ◇        ◇


「ふーん、そういうわけだったのねえ。それでいつお姫さまは、その相手と結婚式をあげなければならないの? それって、どんな人なの?」
「名は、アヨング・オキ殿下。うわさでは、人を見る目を持たず、人を人とも思わぬ、大変なならず者だとか。わたくしも、よくはぞんじあげないのですがね―― 。取り決めでは、ロデリア姫さまは、十五になった〈マロルの月〉の半ば頃、ツキノヒカリバナの咲く日までには、お輿入れをしなければならないのですわ。そしてそれは、もうじきなのですわ」
「あんまりじゃない! 親が子供を、無理やりに結婚させるなんて! そんなのって―― 親のわがままよ! ええっと―― 人権じゅうりんよ!」
「それでも、この決定には、従わなくてはならないのですわ、ゆりかさん。何しろ国王陛下は、いったん言い出したらきかない、とても頑固で、わがままな方なのですからね」
「お父さまの悪口は言わないで、パピリカ」
「申しわけございません、お姫さま」
「だけど―― だけど―― いくらなんでも―― ものには―― 限度ってものがあるじゃないの?―― いくら親の決めたことだからって―― たかが―― たかが―― 一匹の魚のためよ。言っちゃあなんだけど、ロデリア姫のお父さんて、あんまり、たいした王様じゃないんじゃないの?」
「だから、お父さまの悪口は、聞きたくないんだってば! 悪いのは、プンデルカンドの支配者で、悪人のラフレシア大公の方なんだから!」
「ご、ごめんなさい・・・。ねえ、パピリカ、こんなにいやがっているんだもの、その結婚式の約束を、なかったことにはできないの、魔法か何かを使ってさ?」
 パピリカは、深い深いため息をついた。
「わたくしが真っ先に、そのことを考えなかったとでも、お思いなのですか? いったん〈天球院〉に届けられた約束や条文は、むげに変更することはできないのですわ。ましてや、魔法で変えるなどと―― 。そんな大それたことをするくらいなら、わたくしは自分からすすんで、ハトホルの神殿に、生贄になりに行きますわ。あなたはまだまだ、この世界のことがらについては、ごぞんじないのですもの、無理はないですけれどね」
「それじゃあ、どうあっても、無理なのね? 魔法でも話し合いでも、王さまに頼んでも、約束は変えられないのね?」
「もう、何万回もたのんだわ。それでも駄目なんですって。王国の名誉にかかわることだから、敵にも〈天球院〉にも、ゆるしを乞うわけには、いかないんですってよ」
 ロデリア姫が涙ぐみながら言った。
「それに、たとえ、ゆるしを乞うたとしても、あの〈天球院〉が、承知するわけはありませんわよ」
 と、パピリカが、
「何しろ、〈天球院〉に届け出た約束や誓いを変更できるのは、取り決めをかわした当人どうしが、いっしょに取り消しを申し出るか、どちらか一方が『死ぬ』なり『行方不明』になるかして、約束を実行することが、どうしても不可能になった場合だけなのですからね。この場合、ラフレシア大公が取り消しを願うとは思えませんし、国王さま、ラフレシア大公さま、お二人のうちどちらかが、不自然に『死ぬ』なり『行方不明』になるかしたら、二つの国はたちまち、戦争に突入してしまうでしょうよ」
 ロデリア姫がパピリカの言葉を聞いて、急に声を上げて泣き始めた。
「ねえ、パピリカさん。わたし今、思いついたんだけどさ―― 結婚する相手に、じかに頼めないかしら? その、アニョンキ何とかって人から、お父さんのムシロバタ大統領―― じゃなかった、ラフレシア大公に、結婚式をやめてもらうよう、頼んでもらうのよ。どう?」
「そのことも考えてみましたわ、ゆりかさん。しかし、あちらの大公が、自分の息子に頼まれたくらいで、考えを変えるとは、とても思えませんわ」
「そうだ、いいこと考えた! それじゃあ、わたしが、魔法で王女さまに変身して、式だけをあげてしまうのよ。それから、チャンスを見つけて、向こうのお城から逃げちゃうの! どう?」
「そんな―― とんでもありませんわよ。あちらにだって、そこそこ腕の立つ魔法使いがおりますからね、すぐに見破られてしまうでしょうよ。それに第一、〈釣りの日〉の約束の条文には、〈両国のお世継ぎ〉と、確かに書かれているのですからね、当人同士でなくては、話になりませんわ」
「そうなんだ。それじゃあ、万事休すなのね」
 ゆりかの言葉に、ロデリア姫が鼻をすすり上げた。
「つまり、どうあっても、この私がプンデルカンドにお嫁に行かない限り、カンバーランド王国は、滅亡の危険に立たされるわけなのね。ようくわかったわ。ようくわかったわ!―― だったら私、やっぱりプンデルカンドに、お嫁に行くことにします! 本当は―― 本当は―― いやだけどね! 愛する祖国と国民の全員を、犠牲にすることは、とてもできないわ! おまえはどう思う、パピリカ?」
「おお、おいたわしや、ロデリア姫さま。ほかにもっとよい手だてがあるならば、このパピリカ・パピリトゥスめは、お姫さまのおんため、ククラットの山をばくつがえし、ハデスの野のはずれにもまいりましょう。しかし、すべては姫ぎみさまの、み心のままにですわ」
「そんな! ちょっと待ってよ! ちょっと待ってよ、ロデリア姫もパピリカさんも、もう少し考えてみましょうよ! ああっ、そうだ! せ、〈世界図書館〉へ行ってみたら? あそこなら、答がわかると思うな。ねえ、行きましょうよ! 今すぐに!」
「いいえ」
 と、パピリカは、ゆっくりと首を横にふった。
「たとえ〈世紀の書庫〉にある、すべての本をのぞいたとしても、〈天球院〉の決定をくつがえす方法は、見つかりっこありませんよ。ゆりかさん、あなたにはおわかりにならないのですわ、〈天球院〉がどれほど恐ろしく、ごまかしがきかないかを。〈天球院〉を出し抜くような真似は、しない方が賢明ですわよ。何しろ〈天球院〉は、全知全能ですからね」
 考えてみると、パピリカほどのわざにひいでた、頭のいい魔法使いが、これほど恐ろしげに、〈天球院〉〈天球院〉とくり返すところを見ると、よほどすごい場所に違いない。ゆりかがこの場で思いつく程度の計略は、パピリカのことだから、もっと以前に思いついていただろう。それでも、お姫さまと逃げ出したところを見ると、よくよく追いつめられたのだろう。
 ロデリア姫は、きっぱりとした表情で涙をぬぐい、ゆりかとパピリカに、気丈にも笑いかけた。
「ありがとう、お二人とも。おかげで私、決心がつきました。私、これから、王宮に帰ることにします」
「そんな―― だって、いいの、王女さま? せっかく逃げ回っていたのに、それが全部、無駄になっちゃうのよ。あなたは大きらいな相手のお嫁さんに、ならなくちゃいけないのよ?―― それで本当に、後悔しないの?」
「いいのよ、ゆりか。私はこれでいいの。心配してくだすって、どうもありがとう。私、覚悟ができたのよ。あなたやパピリカや、王国の人民に、これ以上の迷惑はかけられないもの。私は私の義務を果たすわ」
「そんな、迷惑だなんて―― 」
 ロデリア姫は、ふと真面目な顔つきになって、ゆりかを見つめた。
「ゆりか―― あなたに会えて、私、とってもうれしかったわ。とっても、とってもよ。こうして、あなたという別世界の方と知りあえて、私はそれだけで、生き返られる心地がするの。あなたと会えたということだけで、私が逃げ出したのは、無駄じゃなかったような気がするわ。ゆりか、おぼえていてちょうだい。私とあなたは、永久に“魂のふたご”なのよ」
 ゆりかは目の前が、涙でにじんできた。
 王女さまは、ゆりかの手を取ると、瞳の奥をじっとのぞき込んだ。
 パピリカは静かに首をうなだれた。
 三人はまるで、一幅の絵のように、その時、見えた。
 




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