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小さな口癖
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第3回
3
夢に行ける時がある。小さく小さく大好きな曲をエンドレスリピート。
なのにやっと堕ちた夢の中でとっても恐い思いをして、とっても悲しいものを見た。
起きてもまだ頭から離れない。一瞬だけ悪夢を見せた責任者を考えたりもして。
起きたら誰もいなかった。小さい頃から当たり前のはずなのにその日だけは寂しく感じた。
私の家は共働きで兄弟もいない。なのに親は厳しくて、親がいない日は外出禁止。
そんな私は成長しても外をあまり好まなくなった。人を好まなくなった。
なのに恋人が出来れば違った。私は私を消して依存した。
愛して 愛して 愛して
必死だった。
言うことならなんでもきいた。人の言うこときくのは慣れていたし唯一の得意だった。
お母さんの言うことを守っていい子にしてた私は、愛せば悪い男にも同じように従った。
いい夢が見たくて黒い羊を何度も追いかけてた。
私は自分が嫌いだった。鏡を見ると鏡を割りたくなるし、自殺する夢を何度も見た。
だから私はいろんなパターンで死んだことがある。何人もの私を殺してきた。
久しぶりに町に出れば、すれ違う子は皆可愛く見えて自分が劣って見えた。
ちょっと誰かと目線が合うと恐くって早歩き。
人は皆私を笑ってると思った。でもそれは仕方ないと勝手に諦めていた。
私は勝手な子だった。勝手に苦しんで勝手にもがいてた。
自分にさえ愛せない自分を誰かが愛せる訳なんてなくて、自分にさえ解らない自分を 人に理解してもらうなんて無理な話だった。
そんなくだらない事を考えて今日も私は歩いてた。
マンホールがあると何故か強く踏んで、雨がやんだ後の傘は邪魔扱いした。
もらったレシートは店員の前でぐちゃぐちゃにしてしまうし、店員はどんなことを思いながら 「ありがとうございました。」って言ってるんだろう。
雨の日の新宿で疲れ果ててる私は心だけダウンさせて安静に寝かせた。
足は機械みたいにただ歩け歩けと家まで向かうように指示を出した。
明日は今日よりいい日でありますようにって願った夜はその日の辛さを認めてた。
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