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作品名:小さな口癖 作者:月の羊飼い

第1回   1
静かな部屋。玄関なんて開けっ放し。隣にはおばあちゃん。

私はおばあちゃんちに遊びに来てる。お父さん側のおばあちゃんだからお父さんとね。


「お母さんに会いたいなぁ・・」

寂しい気持ちは子供なりに抑えた。夜寝る前の深い深い布団の奥底までとっておくつもり。


おばあちゃんと私は大の字。見えるのは遠くに浮かぶ空と近くの家とあと・・

モヤモヤなまま夢の中。クジラみたいな大きな大きな雲を見たけどあれって・・夢?


私は今学校が終わった。今日も疲れた。

学校は新宿の近くにあるもんだから毎日帰りはホストにキャッチされて疲れは倍増。

こんなギラギラした都会から家に帰った時の安心感はすごい。


私は恋愛経験が多い。だけどその中で愛されてた人数聞かれると自信が無い。

そんなバカ男との短い期間のSEX関係を恋愛って呼んでいいものなのかなんなのか。


言葉は嘘をつく。言葉は刃物より尖る事も出来るし人をズタズタにも出来る。

そんな危ないものを人は誰もが持っていて、私はこの体の表面は傷つかないまま臓器を何度も
何度も切り付けられてえぐり取られた。だけどこの体には臓器があるし無傷で動いてる。

どういうことなのか?


臓器って実はすごい数あるんだ。心っていう臓器もある。

見えても見えなくてもその臓器によって自分がダメになったり超元気になったりするんであれば
それは立派な臓器なんだ。体の核になって体に影響を及ぼすの。

その臓器はね、もうボロボロ。


そんな私は今日も生きてる。臓器なんていくつももう駄目になってる。だけど生きてる。



最近はすごく天気がいい。天気がいいのは気分が悪い。

それは今の私の背景としてふさわしくないから。


たとえば私がかわいいウサギちゃんで、ウインクしてる。その背景はマグマが煮え立っててドロドロ
とした意味のよくわからない生き物が、いや死に物が、たくさんたくさんうねってる。


それって絵的にふさわしくないでしょ?

それ。今それ。


だから私の背景に晴れはふさわしくないの。そんな感じで。


私の気持ちは今すごい曇りなの!なのになんで晴れちゃうの!!


雨が降ればその日を楽しんでる誰かにざまぁみろって思う。それは悪じゃないよ。



全てのことに「理由」はある。


どんなアニメのどんな悪者でも視点を変えたらほんとにそれが悪いのか解らないかもよ。


少なくても私のざまぁみろには理由があるよ。




なんだか心が寂しいよ。


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