私は激しい訓練を繰り返してきた為、まったく呼吸一つ乱れておらず、梶尾を休ませないため、わざと隙を作り再度近づいていきました。
梶尾は歯を食いしばりながら、「エヤ!」と気合を発し、顔面目がけ突きを放ちました。
左手をさっと斜め上に差し入れると、どんぴしゃのタイミングで突きの軌道を逸らし、すぐさま手を梶尾の腕に沿って引き戻し、手首を掴んで前に引っ張ると、梶尾はたたらを踏んで前につんのめりました。
右手の甲の方で顔面を叩くと、上手い具合に指の爪が梶尾の目を弾き、
「ウグ」
という声と共に一瞬、動きが止まりました。
右手で梶尾の髪の毛を掴み、左手を右手に添え、右膝を垂直でなく、右フックのように回しながら顔面のサイドに叩き込みました。
膝が顎を真横から直撃すると、ぐるんと梶尾の顔は半回転しながら跳ね上がり、クルリと白目に裏返ると糸の切れたマリオネットのように、どさっと地面に落ちました。
顔から落ちた衝撃からか、チョイの間の後、ハッとしたかのように顔だけで辺りを見渡し、状況を理解すると起き上がろうとしました。
どさっ、
再びつんのめるように倒れました。
脳が揺れて、脳からの指令が下半身に伝わりません。
上半身だけで這いずりながらフェンスに近づき、フェンスの穴に指を必死で絡ませ、上部のバーにしがみつくように腕力だけで立ち上がり、狂気の混じった赤びかりする目で私を睨みつけてきました。
なんていう執念だ。
私は空恐ろしさを覚えました。
やはり冷酷なまでの完全決着をつけない限り、梶尾との確執は終わらない。
私は梶尾に近づくと、サッカーボールを蹴り上げるように垂直に彼の顎を蹴り上げました。
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続編は「竜の鱗 第2章」 が、あるかも?
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