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作品名:繋がる空 作者:

第8回   逢いたい

出逢ってから七年の時が過ぎていった。

あいかわらず、たまにメールを交わすだけだったが、それでも二人の関係は続いていた。

秋も深まる頃…
タカからのメールが毎晩届くようになった。
身近にあった出来事などのありふれた内容だったが、

どういう風の吹き回し?
とユリは思ったけど、内心とても嬉しかった。

そんなある日の夜、タカから『逢いたい』とメールが来たのだ。

突然のことに驚くユリ。

『何処にいるの?』と聞くと
『出張で近くに来てる』と言う。

ユリは逢いに行きたかった。
すぐにでも『逢いたい』と言いたかった。
でも
『またこんな機会がある?』と聞いた。

『わからない』

『じゃあ行く』

また母に嘘をつくことになる。
だけど、今逢いに行かなければもう逢える機会は二度とないかもしれない。

ユリは母に留守を頼み、子供達が寝た後、タカがいる街まで車を走らせた。

タカに逢える。
今度こそ間違いなく。

一時間…
一時間後にはタカがいるビジネスホテルに着くんだ。

ユリはタカに逢えることだけを考えた。
一分でも早くタカに逢いたい。


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