娘達との連絡用にと携帯を持つようになった、ユリ34才の夏。
何気に眺めていて目に留まったメル友募集のコーナー。 おもしろ半分で登録をしてみた。
何件かメッセージが届いた頃、この人がいいかな。 と選んだのが彼との出逢いだった。 同じ歳のバツイチ。名前は、タカ。 ユリと同じく二人の子供がいた。
それから毎日のようにメールをした。 「おはよう」の朝の挨拶。 仕事の合間に子供のことや世間話しなどをメールし合った。夜、子供達が寝た後もメールでいろいろな話しをした。 「おやすみ」まで毎日が楽しかった。
知り合ってからちょうど一週間。 娘達が寝た後に初めての電話。 緊張と恥ずかしさで何を話したらいいのか、頭の中は真っ白。 お互いの子供のことなどを話して、その日は終わった。 穏やかな話し方。 優しい声… それがタカの印象だった。
夏も終わりに近付いた頃、ふと見上げた夜空に、満月が光輝いていた。 輝く月を観ながらユリは、タカへの想いを募らせていった。
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