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作品名:繋がる空 作者:

最終回   空…

タカからの返事はなかった。

あれから毎年、ユリは冬に一度だけタカにメールを送っている。

『お誕生日おめでとう。』

『ありがとう。』

たったそれだけの繋がりだけど、元気でいることが確認できればいいと思っている。

タカは、私がいた七年間、幸せでしたか?
私はタカに出会えて幸せでした。

涙もたくさん流したけど、笑顔もたくさんあったよね。
タカは生きていく希望の光でした。

しし座流星群、遠く離れた街から、同じ夜空を見上げたね。
たくさんの流れ星に時が経つのも忘れて空を観てたっけ。

あの日、輝いていたいた月は、今も空にあるのに、どうしてタカだけがいないんだろう…

ユリは今でも空を見上げる。
寂しさの涙を止めるわけじゃなく、どんなに離れていてもこの空だけは、タカの街まで繋がっているから。

青空を観ては
『今日も晴れたね』夜空を観ては
『星が綺麗だね』

そう、心の中でタカに話し掛けるんだ。
タカの優しい声は、もう返ってこないけど…


ユリは空を見上げ
今日も祈る

タカが幸せで
ありますように。




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