バツイチの私が、もう一度、恋をするなんて思ってもいなかったんだ。
あなたに逢うまでは…
ユリは子供と三人で、町外れのアパートで慎ましくも楽しい毎日を送っていた。
朝6時に起き朝食の支度をし、子供達を学校に送り出した後、家事を済ませ、近くの花屋で働いていた。 ユリは花が大好きだった。 花は、お世話をすればするだけ応えてくれる。 綺麗な色とりどりの花。 花の香りに包まれているとユリは幸せな気持ちになるのである。
午後4時に仕事が終わり、今日の夕食は何にしようかな、と考えながら買い物をして家に帰り、夕食の用意をしながら子供の帰りを待つ。 穏やかな気持ちに、自然と鼻歌なんか出ちゃったりして。
帰宅した子供と三人の食卓。 学校での出来事など楽しい会話に自然と笑がこぼれる。 子供達の顔にも笑顔が絶えない。 ユリにとっては、何よりもそれが一番嬉しかった。
夫と4人で暮らしていた頃… あの頃のことは決して思い出したくはない。
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