あれはいつだったろう.....
物心つくまでばぁばをハハと信じて疑わなかった私。
ハハがハハではなくばぁばだと知った時、ハハに捨てられた事をも初めて知った。
月も照らさぬ暗い夜はハハに会いたいと駄々をこねた。
そんな私にばぁばは、いつも爪を切ってくれた。
ぷちん、ぷちん...
「ほら、この爪がお空に飛んでって三日月さんになるんだよ...」
ばぁばがいなくなってから、暗い夜は自分で爪を切った。
会いたい、会いたい...
溢れた涙で小指を切った。
指より心が痛くて涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。
今でも小指が痛むと思い出す。
誰よりも愛してくれたばぁばの事を.....
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