14「煌びやか」つづき
一方で私は、国慶節休みに入った10月1日の建国60周年式典放映を個人的趣味から「CCTV新聞」で夜中、早朝、10時からの開会、夜10時の閉会まで見ていた。圧倒されたのは昔の映画『閲兵式』を思い出した解放軍や民兵らの行進だけでなかった。56民族の特徴を誇示する集団乱舞も夜遅くまで果てなく続いた。「60周年記念特別報道」を通して見た人文字の色、文字、動き、そして圧巻の花火も含め中国の色彩感、芸術観も堪能した。 建国以来の60年間の代表的映画はcctv4チャンネルで紹介していた。 その中で『劉三姐』が二日に亘って放映されるのが分って嬉しくなった。 私らの学生時代、日中友好協会北海道連札幌支部北大学生班らで中国映画会を開催していた。白黒でなく最初のカラー映画がこの『劉三姐』だった。歌物語を当時の私は好まなかった。だが美しい中国の山や川、そして逞しく優しい農漁民の中での恋の成就は私をときめかせた。5年前に桂林を旅した時、マスコットのように扱われている「劉三姐」に出会って懐かしさを噛み締めて以来だが、今度は実物の映画なのだ。 国慶節前後に続いていた60周年記念報道は、建国に関わる「聶耳」「聞一多」「江姐」ら有名無名の先人の紹介もあり、様々な自分の過去をも蘇らせる。私が卒業論文のテーマにした「李大 」もその中に含まれていて、私を喜ばせた。 朝鮮戦争、中国式には「抗米援朝」の戦争も紹介された。 その時私は、半世紀近く前のことを鮮やかに思い出した。日本人で中国義勇軍兵士としてこの朝鮮戦争に従事した小野が当時学生の私に語った内容は今でもドキドキさせる。
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