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作品名:憧れ河 作者:あるが  まま

第12回   12 「あやしやな」つづき
12「あやしやな」つづき

これまで誰に対しても、「私の拙文の翻訳をすれば関係は続くが、翻訳できない人との関係はそこで終わる」と言ってきた。あなたは別れる時、今後の一切の翻訳も拒否した。
この二つの決断があなた個人の考えからとはどうしても思えない。私たちは一年半、色々関りを持って来た。今後の継続を疑っていたら、遥か河北省まで出向くことはなかった。
しかし、私は拒否された。仕方ない。これで終わりだ。
終わりついでに、想像していた両親等の思いの一端についても記しておこう。
前日に初めて会った娘の恋人なる男が、娘の身体に触れ自分の所有物であるかのように誇示するのは中国では珍しくないのかどうか、私は知らない。が、私の感覚では考え難い。
仲がいいことは親にとって嬉しいはず。でも所有物視されることは全く逆の気持にならないのか。無知のまま「オレ」と父親の前で言う。「オレは日本で研究を続けるが妙可は日本で仕事する」「蘇州に嫁に来い」式の言い方をまかり通らせる関係は、男尊女卑的だ。
そんな男の言動に従っている女の「主体性」はどうなのか。あなたの知性を感じ取れないことは残念である。あなたはそんな人ではないと今でも信じたい。しかし、あなたの故郷で見せたあなたは、私の知らない女だった。
日本でも、女は男次第で変わることがあると言われる。あなたの変化も同じでないのか。
語りたいことはもっともっとある。でも、これ以上書きたくない。」


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