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作品名:憧れ河 作者:あるが  まま

第10回   10 「連鎖する]つづき
10 「連鎖する]つづき
「学生時分、全生連や全日自労の人達に誘われ北海道庁との交渉に混じっていたことがある。私はやり取りを見ていただけだが、行政姿勢の一面を理解し、且つ若者や壮年と異なる年寄りの凄さを感じていた。若い時に年配の人に接することは意味がある。
日中友好協会ニーハオ玄海でも、留学生や日本の若者に、大人達との交わりを促している。「那珂川町9条の会」が、意見交換を求め留学生4人を招いた。30人の大人を前に、若者が自己を語るのだから貴重な経験だ。先日も「原水禁国民平和大行進」の通し参加者に事務所に泊って貰った時、地域の若者との交流を企画し、併せて「ニーハオ玄海」も渡した。
後継者つくりもこれら交わりの延長上にあるはず。45年前の道庁交渉時、年寄り達は私に直接の要求を何一つしてない。しかし私はその交わりの事実を財産にし今も生きている。
だからお返しの意味でも頑張る。種まきはいつでも重要。成果はすぐ現れない。人の集まりの機会を窺い、出向いて最新の情報を渡す。無駄に見える何回ものこの苦労及びその意義の確認を楽しめる年寄りがまた一人増えれば、その分、老若の交わりが進むはず。」
ニーハオ玄海事務所での交流の場に来た若者は、「年寄りの説教が嫌いだ、分っていることを一々言う」と辛辣だった。さもありなんと私も思った。それでも年寄りとして言いたくなることがあるのも事実なのだ。
年金者組合福津支部長になった牧は、はまぼうの会の一員でもある。種も撒き苗も育てて来た人だ。活動の量、質は私の敵う所ではない。年金者組合忘暑会の締め括りに、牧は、はまぼうの咲く場所に皆を案内し記念写真を撮った。私も牧の気配りに心を高揚させた。
様々な別れをした。歳を取った私としては二度目にして最後にもなる中国生活に思いを馳せる。
二年振りの中国の人になるべく準備もし、上海空港に飛んだ。
そして迎えに来てくれた江蘇畜牧獣医職業技術学院の教員宗英らと泰州に着いた。


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