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作品名:フツウの顔の中国 U(2010年) 作者:あるが  まま

第30回   30
30 <中国での日本の歌> 

 我が学級の数人も出場出来たのだが、隣の学級担当の吉岡さんが企画するスピーチコンテストがあった。「日本の歌詞を暗記し日本語の発音を上手にしたい」と呼びかけた学生もいた。
私が週1回夜の時間に担当する「日本語クラブ」の最後の日は、多くの中国人が知っている日本の歌がテーマ。日本語の歌詞と中国語で歌われている歌詞の意味の違いなどの勉強をした後、実際に皆で歌った。願いは、日本文化の一端に触れつつ日本語が少しでも上手になることだ。
翌週は期末試験直前。「お別れ会」を一年生が企画。会場には何個もの風船が下がっていた。他の大学でも経験したことだが、牧院の学生達も別れて行く私のために日本の歌を聞かせてくれた。私は最後の語りかけと共に、赴任当初に約束していた二胡を弾いた。人に聞かせようとすると下手が一層下手になる。私は本番に弱い。が、そこは学生、喜んでくれ、土産の茶セットまで呉れた。


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