27<エゴイストと付和雷同>
授業でよく作文を書かせる。この後は全て時間外にならざるを得ないのだが、添削して個人個人に返して来た。10回は下らない。 今回皆が見えるパソコン上で添削できる教室だったので修正過程を全員で見守ることにした。間違いは共通している個所も多く、更には、個々の友達の間違いを知ることで励まし合えるとも思ったからだ。 しかし一部の有力学生が嫌がり教室を出た。逡巡していた者達も逆らえないのか帰ってしまった。その時点の添削の該当学生だけになった。 エゴイズムと強者にしたがう付和雷同が怖い、と私は思った。 昔の話だから関係ないと言う人もいよう。でも私には、「文革」の起きる可能性がこの小さな教室でも窺えた。もう一つの学級はそうした兆候は皆無。しかしもしかして、そこの有力者が反旗を翻せばどうなるか分らなくなった。 どこの大学でも楽しく出来た。だが牧院では言葉が通じ難いのが多い分、彼らの「功利主義」とは通い合わせることの出来ない悲しさをも味わった。最後は一応元に戻った。だが、「恐怖」感は完全には消えていない。
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