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作品名:フツウの顔の中国 U(2010年) 作者:あるが  まま

第18回   18 転学の特別試験
18 転学の特別試験

 わが大学の日本語専攻学生の一割強は、四年制大学への転学を目指しているらしい。受講料2000元余で近くの大学で半年以上も土日講義を受け、いよいよ受講料100元を払い試験日を迎えた由。そこで何人かが相談に来た。過去問も持って来た。試験方法が難し過ぎるのか、聴力を問う問題はない。日本語、中国語それぞれへの翻訳問題があった。作文試験もある上に、常体での論文形式でとの指定もある。これでは今の教え子たちは誰も合格できまい。作文では減点されるのが落ちだ。
 「日本留学試験」と「日本語能力試験」のそれぞれに似ている箇所もある。が難しい。
 学校側もこの転学を認めているのは、私の授業の途中で受験用必要資料の提出を学校が求めに来たことでも分る。転学を勧めるはずはなかろうが、それを売りにした短大としての学生募集だったのかも知れない。
それにしても当該者は早く日本人教員にも教えればいいものをと思う。今では間に合わない。それでも急遽特別に小論文指導も試みてはみた。しかし、偏った学生の勉強法は地道な原則的な勉強を嫌う。それも私は悲しい。


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