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作品名:フツウの顔の中国 U(2010年) 作者:あるが  まま

第10回   10 個人ビザでの日本旅行
10 個人ビザでの日本旅行

 蘇州海外旅行社(歩亜俊サン)を訪ね、福岡県の津屋崎で中国語の案内書を作ったことを伝えた。
この会社は日本人観光客を中国各地に紹介するのが本来の仕事なのだが、逆に中国人を日本に紹介する仕事も始める契機になって欲しいと、津屋崎千軒の日中両語併記説明文を渡す。
 その後外の広場でのんびり煙草でも吸っていると、休憩中の近くのレストランの従業員が何人も周りで質問してきた。一人に北海道と富士山の知識があったが他は日本を殆ど知らない。福岡など聞いたこともないとか。
 昔日本でも海外旅行は特別の人の特権だった。学生だった私は外国に行くこと自体は考えていたが、実際に行くのは容易でないことも思わせられていた。
 今は全く異なる。中国も同じだろう。海外に個人ででも行けるビザの発行が許可された。黄山の阿部さんも身辺の世話をして来た中国人のSさんを、日本に戻る際、ちょっと連れて行くことが出来た。
 国家政策の変化はすぐに具体的に現れる。


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