20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:春節前後を行く《旅は遥かなる記憶を蘇らせる》。 作者:あるが  まま

第7回   7 カシュガル・ホータン (春節3日前)
7 カシュガル・ホータン  
(春節3日前)

 早く起きてチェックアウトし、再びバスに乗ってエイティガアル礼拝堂に行く。人が少なく店も開いていない。しかし礼拝堂には既に係の人がいた。10元払って中を見学。庭には木々が並んでいてその奥が本堂だった。烏蘇市郊外蘇里更の回族の教堂とは大きさだけでなく中の飾りも違っていた。中央には時計が置いてある。そう言えば外の壁にも掛かっていた。ここの教長は時計に何らかの意味を持たせているのだろう。
 見終わってタクシーでカシュガル地区博物館に行った。残念ながら閉めていた。またタクシーで南バスセンターに行き、券を買った。勝手が違ったのは、バスの運行時間は新彊時間だったこと。まだ一時間半近くもある。近くの食堂で麺と餃子を腹いっぱい食べた。
 やっとバスに乗って日記をつけていたら『アリババと四十人の盗賊』に出て来る小父さんが隣に座って声をかけてきた。前日もバスセンターの近くで私を見ていたと言う。何かの縁だと思っていたら、彼は観光運転手だとも言う。砂漠を見に連れて行きたいと勧めた。私はどこかに頼む積りでいたからその話に乗った。700元だとか。彼によると旅行社だと1200元すると言う。あなたは私の友達だから安くしたいとも言った。丸一日の行程である。17日の朝戻るから午後4時頃のバスで砂漠を横断したら、日没の砂漠をも見ることが出来る。
 アリババは気を使ってか水や卵やバナナを買ってきた。欲しくなかったけど好意に甘えた。ホータンに着いて彼は宿舎も決めてくれた。20元、安い。トイレは外だが一人でパソコンも打てる。高価で立派でもシャワーしかない部屋なら私には有難くもない。安いのだからトイレもなくていい。これで充分だ。
私の運はまた好転している。感謝。雲燕に連絡した。彼女は心配で仕様がないのだろう。ありがたい人だ。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 205