15 ウルムチで 七日目(初7) 朝ごはんを一緒に食べた後、雲燕はタクシーで飛行場に行った。出会いそして別れ、これまでも繰り返してきた場面だ。雲燕の場合、会おうと思えば、その道がそれほど難しくなく出来ると言うことか。昨夜は、このたびの記録などを彼女のU盤に入れた。雲燕が『蒼の揺曳』の翻訳に挑んでくれたら、新たな繋がりになる。 彼女と別れてそのままバスセンターに行って、塩池あるいは達坂城行きを探した。最初に天山山脈越えやタクラマカン砂漠縦断のバスでお世話になった世話好きのおばさんが近づいて来て握手を求めた。嬉しかった。しかし、彼女にしても私の希望地が理解できなかったのだろう。挙句に彼女が薦めたのは別の場所だった。仕方ないので一度ホテルに戻り12時前にチェックアウトし、駅前の軍人用バスセンターに行って覗いてもみた。ここにも出てない。万事休す。 そのまま久し振りのインタネットカフェを訪問。日本の事情を少し垣間見た。考えたいこと、考えてもどうにもならないこと、色々あることをこうした度に感じる。 午後煤炭招待所に行った。50元の一人部屋が残っていたのでそこに入った。トイレなどが別で不便なのだが安くて綺麗なことは有難い。 外に出た。ウルムチ市民の憩いの場だと案内書にある。階段を何段も上ると市内が見通せる。天山山脈の中に都市があることが分かる。唐の武帝の時代に定められた都市であるとの説明も理解できた。一番近いバス停を教えてもらって繁華街に出た。ウイグル人の店でバン麺を食べ、近くの露天で孫の手を買った。ウルムチ土産になるのかどうか分からないけど、私の唯一の買い物である。 夜はのんびり。ダブルベッドを一人で使う贅沢は初めてだ。
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