7 ささやかな生活
<活躍する台所> 卒業後は調理人になる夢を持つ男子学生と友達が本格中国料理を目の前で作って食べさせる幸運に浴した。2時間、作っては鍋を洗いまた次々に作る様にまず圧倒された。味が私に塩辛過ぎでも美味しかった。その中に魚の煮付けも含まれていたがお腹いっぱいと言うことで誰も食べるに至らなかった、それで私はそぼろを作ることを思い立った。 結局、チラシ寿司を作って彼等に食べて貰うことにした。そぼろにするまでが大変。小骨を取ることに一番時間を割いた。一日かけて味付けした昆布の佃煮、千切人参、椎茸、いり卵を、各人器にとって食べた。吸い物は日本の醤油を使った豆腐つゆ。茹でた青菜をマヨネーズで食べることも勧めた。何はともあれ台所のある生活が私達を充実させる。
<Aさんの体重計> 黄山のAさんが長く使用してなくて動かなくなった体重計だが、私は使えるようにするのが好きなので貰って来ていた。何故かネジも外せず油差し口も分らない。甦らせる自信はなかった。それが、何度も何度も刺激を与える内に少し言うことを聞き出した。今でも一度刺激した上だが、Aさんの顔を思い浮かべ体重計に乗るのが楽しみになっている。 私の問題は、うっかりすると体重が減ることである。50s以上になる心配は少ないが、逆の46sを指したら危うい。少し無理しても余計に食べる。この場合一番いいのは学生と一緒に学生食堂の4元(約55円)定食を食べること。私には塩辛いし量が多過ぎるが、週に1度彼等と語らいつつの食事は多分精神衛生的にもプラスに働いているはず。
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