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作品名:フツウの顔の中国 作者:あるが  まま

第5回   5 国慶節の映画や畑や
5 国慶節の映画や畑や

「中国60年の映画」
 CCTV少児チャンネルは『建国を飾る60年の映画』として1ヶ月、多くの映画を紹介した。知らない映画が殆どだが、偶に知る映画もある。小説「紅岩」を元にした『不屈の人々』は一シーンだが、江姐さんが出て来た。昔教科書に載っていた「江姐ジアンジエ」なので『紅岩』を知らない中国の子どもも「紅姐」は皆知っていた。が、今は知らない学生も多い。
 二日間(上下)で放映した『劉三姐』は全部観た。昔日中友好協会学生班などで主催し北大生や札幌市民に観て貰っていた中国映画会だったが、私が中国のカラー映画として初めて観たのがこの『劉三姐』だった。当時の学生運動、労働運動の活動家達の中に、全く異なる『燎原の火』(白黒)と共に、このカラ−の歌物語映画を記憶する人がいるに違いない。

「国慶節前後の畑」
 胡麻の収穫の後が大豆。胡麻は刈り取った茎のまま壁等に立てて干すが、大豆の多くは畑に横にして干し、日本で見ることの出来なくなった道具をくねくね回して実を落とす。一部、道路上に並べ車や人の足に触れさせている家もある。サツマイモはまだ。かぼちゃも花を咲かせた段階。稲は少し離れた所で見られるが、一部の早場米が黄色、殆どはまだ緑色状態。大学内のちょっとした空き地にも青菜を期日を違えて種撒きし、収穫期が絶えないよう努める農民もいる。
我が宿舎を含む近辺の大学群は今「大学村」と称される。当然少し前までは広大な畑だった。今も農家が川沿いに軒を連ねる格好で並ぶ。皆無言でひたすら働いているが、その側を初めて通る下駄履き姿を殆どが一瞬動きを止めて見ていた。


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