3 列車の旅
「無座の客」 胡錦涛の幼い頃の「故郷」の縁で泰州駅は05年に出来た由。以前の地図には線路もない。町中には適地がなく「とても遠い」と言う通りの距離。でも何便か始発駅にもなっている。 私の初旅は、泰州始発K224広州行きで8時間先の黄山に向った。次も泰州始発K257ハルビン行き寝台車で13時間先の北京に行った。寝台でなく座席でも「無座」に比したら極上だ。立ったままの目が座席の顔を見るのだが、無座の経験者としてよく分る。 無座の内蒙古では寒かった記憶とも重なる。上海・蘇州間の無座は何度も経験したが1時間だから大したことない。この後、黄山〜広州19時間、北京〜ハルビン14時間。これら無座の客達を思う。一方待合室で荷を足元に置かず椅子を占拠する横暴者の多さも悲しく腹立たしい。
[非日常の飲食] 長い旅の列車の中でも飲食物を買う習慣を私は持たない。中国でも買わない。が、偶に気まぐれが生じる。私はビールを買った。日本では飲まない物だ。旅の過程で何となく買いたくなったのだ。ジュースでもヨーグルトでも5,6元。ビールも5元。コップもないから瓶ごと飲む。周りでビールを飲む人は誰もいなかった。私一人が酔っていた。 私の日常感覚では、10元(135円)の食事は高い。しかし旅の途中高く思わない時もある。ホテルが市民に開放している朝食券を10元で買った。私は少食だから、食べ放題方式では人のように元は取れない。でも食堂で日記をつけパソコン打ちの出来るゆとりは日本でも見つけたことがない。この食堂では実行できたのだ。
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