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作品名:ルービックキューブ〜病気との闘い〜 作者:碧空

第1回   母との闘い〜幼少期〜
いつの間にか23年がたっていた。

幼少期を振り返ると

体中が震え始める

今を思えば

あの頃があってこその今の自分なのだと

心の中でそう強く思った。



ふと気づけば目の前には母がいた

血まみれで倒れている。

わからない 全然わからない

なぜ倒れているの?なぜ赤く染まっているの?

その前後の記憶が一切なかった。


私が生まれた23年前のことはわからないけれど

気づいた時には母に殴られていた。

3歳頃だったか…

トイレへ行くにも

「トイレに行ってもよろしいですか」と

母に聞いてからでないと殴られてしまう。

毎日の日課であるパチンコへの外出でも

真夏であろうが車の中で何時間も待っていた。

母が何を言っても「はい」と答えないと

すぐに殴られ蹴られていた。

こんな日がごく普通に流れていた。

母はパチンコに飽きると

生まれたばかりの私の妹をも見捨て

一人で外出し、何日も帰ってこなくなった。

その間、妹の世話も父へのご飯もすべて私がやっていた。

習い事も強制的に習わされた。

ピアノ・バレエ・新体操・英会話・そろばん・習字・ボイストレーニング

すべて良い成績でないと

ベルトで何度も殴られ

腹を蹴られ

吐くまで虐待は続いていた。



8歳になった頃

父が母に呆れ離婚した

親権は父にあったようだが

離婚日

私はまた母に殴られるのではないかと怯え

母の振る手についていった。

その日から私と妹は

母方のおばあちゃん家に預けられた。

まるで夢のような生活だった。

殴られない、蹴られない

ただそれだけが私の幸せだった。

母はそれ以降帰ってくることもなく

電話すらなく

また一人でどこかへ行ったようだ。

そこからが私の本当の闘いだとも知らずに

私はその時にある幸せをかみしめていた。


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