夕食の合図が聞こえたと同時に同部屋の少年たちは部屋を飛び出していった。 その素早さには佐々木も驚いていたが夕食の会場がわからずにおどおどしている俺に夕食会場を案内してくれた。 その日の夕食では新しいメンバーの俺の紹介式をやってくれた。 人前で自分の名前を呼ばれるのは少し恥ずかしいがそんなにいやな気分ではなかった。 城の食堂は想像を絶するほどの大きさであった。 だがその食堂の15分の1くらいしか埋まっていないのを見るとこの場所が地味に感じた。
その日の夕食が終わると俺の瞼は重くなっていた。 部屋に戻ろうとして席を立ち上がると佐々木に呼び止められた。 「このあと9時から戦闘訓練をやるぞ。」 と言われたが俺の体にはだいぶ疲労がたまっていた。 仕方なく9時に城の正門付近に行ってみるとそこには50人ほどの人がいた。 どんな訓練をするのか自分で少しわくわくしていたがそんなに甘い物ではなかった。 いきなり銃を撃ち始めたのだ。 銃なんか持ったことの無かった俺はとても不安になったが佐々木が優しく教えてくれた。 やはりこの人とは会ったことがある気がする。 佐々木に聞いてみようと思ったが心の中にしまっておいた。
1時間ほど銃の使い方の訓練をしていたがようやく終わりの時間になった。 「解散」と佐々木が言うとさっきまで険しい表情をしていたみんなの顔が急に緩んだ。 大変だな…と誰かに愚痴りたかったがそんな友人はまだいないので独り言にしておいた。
一週間ほどたった。 俺はやっと銃を使えるほどに成長した俺は部隊に配属された。 「偵察部隊」 活動の大体の予想は出来たがその予想をまったく裏切らない活動内容であった。 城近辺の偵察であった。 戦闘のとき以外で城の外にでるのはこの部隊しかない。 一番危険な部隊という訳だ。 個人的には戦闘部隊に配属したかったがそんな文句は言っていられない。 偵察で真の目的地東京にいけるかもしれなかったからだ。 だが現実はそんなに甘くなかった。 「あいつら」が城めがけて来ている。 と言う事を部隊の先輩が佐々木に報告していた。 俺はとても不安でいたのだが皆からもそんなオーラが漂っていた。 明日「あいつら」がこの城から見える位置に来るらしい。 明日は俺にとって大事な日になりそうであった…
|
|